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囲碁界の魔王 井山裕太
魔王裕太 player 2021/07/06 19:49

囲碁界の魔王 井山裕太

平成元年(1989年)5月24日生。大阪府出身。石井邦生九段門下。平成14年入段、同年二段、15年三段、17年四段、同年七段、20年八段、21年九段。日本棋院関西総本部所属。史上初の2度の七冠独占。

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魔王裕太 2020/10/24 16:48
魔王裕太 2020/10/24 22:13
プロ入り前

5歳で父が買ってきたテレビゲームで囲碁を覚え、アマチュア高段者の祖父の薫陶を受ける。まだ小学校入学前の年齢にもかかわらず、碁を始めて半年で5級、さらに半年で3段になる。6歳の時、ミニ碁一番勝負に出場し、5人抜き。小学1年の夏に番組の解説者だった石井邦生九段に弟子入り。石井は囲碁の師弟としては異例の1000局もの対局(多くはネット対局)を通じて井山を鍛え上げた。この番組のインタビューで何になりたいかの問いに「野球選手」、誰のようになりたいかとの問いに「イチロー」と答えた。

1997年(東大阪市立孔舎衙東小学校2年)、少年少女囲碁大会全国大会で優勝。小学2年での優勝は昭和61年の山下敬吾(現九段)以来二人目。決勝の相手は後にプロになる万波奈穂だった。翌年に2年連続優勝。NHKの企画で小林千寿五段と3子で対局。この年、修行のため中国棋院で行われる全国児童囲碁大会に特別に参加した。また同年にはじまった全日本こども囲碁大会の初代優勝者にも輝き、平成生まれのチャンピオンとして話題を集めた。週刊碁の企画で山田規三生王座(当時)と3子で記念対局し勝利する。10月に日本棋院関西総本部の院生となる。小学4年生のこの頃、自ら研究会を開き、井山研究会を発足させた。当初は武井孝志、佃亜希子、井澤秋乃らすでに入段していた先輩を仲間に入れ、井山自身が入段してからは荒木一成、坂本寧生らも呼びかけた。

2001年、関西・中部で1名の入段者決定戦に関西代表として出場も、川田晃平に敗れ、最年少入段ならず(入段していれば、趙治勲の記録を1月あまり更新していた)。

井山裕太 少年少女囲碁大会全国大会で優勝

 

魔王裕太 2020/10/24 22:31
プロデビュー

2002年

関西枠1名で東大阪市立孔舎衙中学校1年生時にプロ入り。院生リーグで46連勝を含む71勝8敗という圧倒的な成績で入段(中学一年生)した。12歳の入段は林海峰名誉天元などに並ぶ記録。平成生まれ初の棋士であり、ちょうどこの頃『ヒカルの碁』のテレビ放送が始まった時期でもあり、同番組の本編終了後のミニコーナー『梅沢由香里のGOGO囲碁』で免状授与の様子が特集されたほか、様々な新聞に取り上げられた。入段記念対局としてNHK教育テレビでは張栩と対局。週刊碁主催の新初段シリーズでは山田規三生八段(当時)と対局。同年二段。この年の成績は21勝4敗。


2003年

第29期棋聖戦では本田満彦八段に勝利。第30期天元戦では佐坂志朗八段・土田正光九段に勝利。この年は三段に進んで32勝13敗。


2004年

第30期棋聖戦では吉田美香八段・石井新蔵九段・山城宏九段らに勝利し最終予選進出。第30期名人戦では中尾準吾八段・郡寿男九段・片山安雄八段・下島陽平七段らに勝利し最終予選進出。第53期王座戦では片山安雄八段・植木善大八段・彦坂直人九段に勝利。第44期十段戦では下島陽平七段に勝利。


2005年 初優勝

第30期棋聖戦最終予選では横田茂昭九段に勝利。第61期本因坊戦では中野寛也九段・後藤俊午九段に勝利し最終予選進出。3月、第52期NHK杯に出場する50名に選出。15歳10か月での出場は史上最年少記録。16歳になってすぐに第2回中野杯・U20選手権でも優勝、以後この大会で3連覇。9月、新人王戦準優勝。

10月8日、第12期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦で小林覚九段を破り優勝、早くも頭角を現した。16歳4か月での優勝は日本囲碁史上最年少(従来の最年少優勝は、1973年に新鋭トーナメント戦で優勝した趙治勲の17歳0か月、また全棋士出場の棋戦では1975年にプロ十傑戦で趙治勲の記録した18歳10か月)。張栩、王立誠、趙治勲、小林覚という超一流棋士を連破しての優勝であった。棋戦優勝で規定により七段へ昇段したが、これも史上最年少、四段から七段への飛び級昇段も史上初であった。第32期天元戦では山田規三生八段・松岡秀樹八段に勝利し初の本戦入り。40勝13敗(.755)で棋道賞勝率一位賞を受賞。


2006年

第31期棋聖戦最終予選では清成哲也九段・山田規三生八段に勝利し決勝に進むも張栩名人に敗北。第32期名人戦では山城宏九段・石井邦生九段に勝利し最終予選入り。第62期本因坊戦最終予選では中野泰宏九段・彦坂直人九段に勝利。第54期王座戦では小県真樹九段・郡寿男九段・大垣雄作九段・石田章九段に勝利し初の本戦入り。本戦では三村智保九段に勝利。第33期天元戦では本戦に進出。第32期碁聖戦では松岡秀樹八段・彦坂直人九段に勝利。第46期十段戦では小県真樹九段・今村善彰九段に勝利。


2007年 リーグ入り

第32期棋聖戦では林海峯名誉天元・後藤俊午九段・仲邑信也八段に勝利しリーグ入りを果たし、17歳10か月の3大リーグ入り最年少記録を作る。また第33期名人戦では山下敬吾棋聖・中小野田智己九段・河野臨天元に勝利しリーグ入りを果たし、黄翊祖が2005年に記録した18歳6か月を1月あまり更新した。第63期本因坊戦では岩田達明九段に勝利し決勝進出。第55期王座戦では高尾紳路名人に勝利。第33期天元戦では趙善津九段・王立誠九段・小林光一九段・森田道博九段に勝利し本戦決勝に進むも山下敬吾棋聖・王座に敗れる。第47期十段戦では小県真樹九段・植木善大八段に勝利。


2008年 最年少挑戦者

2008年には名人リーグを勝ち抜いて張栩名人への挑戦権を獲得、現行7大タイトル戦での最年少挑戦記録を塗り替えた(19歳3か月。これまでの記録は趙治勲が王座に挑戦した20歳4か月、名人戦では林海峰の23歳2か月)。名人戦挑戦者となったことで規定により7月11日に八段に昇段した。名人戦では3-4で惜敗。棋聖リーグA組優勝。第56期王座戦挑戦者決定戦進出。世界囲碁選手権富士通杯出場、2回戦進出。初の十段戦本戦入り。NECカップ囲碁トーナメント戦出場。第1回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦優勝。第2期幽玄杯精鋭リーグ優勝。48勝21敗(69局)で棋道賞最多対局賞を受賞。さらに、棋道賞優秀棋士賞を受賞。


2009年 名人位

第2回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦2連覇。7月本因坊リーグ入り(最年少)。名人リーグは8戦全勝で張栩名人に対する挑戦権を獲得、4-1で勝利し名人位を20歳4か月で獲得。七大タイトル獲得の最年少記録を更新した(これまでの記録は名人戦では林海峰の23歳4か月、7大タイトル戦では趙治勲が王座を獲得した20歳5か月)。

名人位を獲得することで規定により10月16日に九段に昇段した。この九段昇段により、入段からの8年10か月と九段昇段の最短記録を更新した。9月第18期竜星戦で張栩名人を破り優勝。初の碁聖戦本戦入り後、挑戦者決定戦進出。富士通杯出場、2回戦進出。LG杯世界棋王戦出場、2回戦進出。43勝14敗(57局)で棋道賞年間最多勝、最多対局賞。また、この年47回秀哉賞、棋道賞優秀棋士賞受賞。


2010年 名人連覇

2010年 2月(放映は3月)、第57回NHK杯テレビ囲碁トーナメントで準優勝。7月、第1回世界囲碁名人争奪戦に出場、中国の古力名人に敗れる。10月、第35期名人戦で挑戦者高尾紳路を名人戦では10年ぶりとなる4-0のストレートで降し、名人位初防衛。11月、アジア大会男子団体戦に出場、韓国戦で李世乭九段を破る健闘を見せるも、チームは銅メダル。12月、第6回大和証券杯ネット囲碁オープン戦で張栩棋聖を破り優勝。2010年の賞金ランキングは5648万円で3位。


2011年 十段・天元

2011年 3月、35期棋聖戦で張栩棋聖に挑戦するも2-4で敗れる。4月29日、十段戦第5局で張栩十段を下し、初の十段位獲得(21歳11か月での戴冠は十段戦での当時最年少記録・伊田篤史が更新)、自身初の二冠(史上最年少)となった。

5月、博賽杯金仏山国際囲碁超覇戦(非公式戦)で李世乭、古力を破り優勝。日本の棋士が、国際棋戦で優勝するのは、6年ぶり。6月、第16回LG杯において2回戦に進出するも、李昌鎬九段に敗れた。8月、24回世界囲碁選手権富士通杯で古力、崔哲瀚、坂井秀至を破り準決勝に進出するも、朴廷桓に敗れ3位決定戦に回る、決定戦で江維傑を破り、休止前の富士通杯最後の日本人棋士の入賞者となった。同月、第2回世界囲碁名人争覇戦では、朴永訓名人(韓国)、江維傑名人(中国)に敗れた。9月、第36期棋聖戦Aリーグ優勝。9月30日、第20期竜星戦で結城聡を降し、2回目の優勝。10月1日、第18期阿含・桐山杯で山下敬吾桐山杯を降し、2回目の優勝。阿含・桐山杯日中決戦では敗退。10月28日、第36期名人戦で山下敬吾本因坊に2-4で敗北し、3連覇ならず。

11月17日、第37期天元戦で結城聡天元を3-0で降し初の天元位獲得(22歳6か月での戴冠は天元戦での最年少記録)。48勝19敗で、日本棋院における最多勝利、最多対局。賞金総額は9151万円で、初の賞金ランキング1位となる。

魔王裕太 2020/10/24 22:46

2012年

2012年2月20日、将棋女流棋士の室田伊緒(井山と同年同月同日生)と5月に結婚することを発表し、予定通り両者の誕生日である5月24日に結婚し、12月23日に挙式した。3月24日、第7回大和証券杯ネット囲碁オープンで二十五世本因坊治勲を降し2連覇。4月18日、第50期十段戦で張棋聖を3-1で下し、十段位初防衛。4月、67期本因坊戦リーグで6勝1敗の成績で挑戦権獲得。7月19日、67期本因坊戦で山下道吾本因坊を4-3で降し、初の本因坊獲得。史上最年少での三冠に輝いた(23歳1か月)。

7月23日、37期碁聖戦で羽根直樹碁聖を3-0で下し、初の碁聖位獲得。史上最年少四冠となる(23歳2か月)。37期名人戦リーグで7-1の成績を挙げてプレーオフ進出も、羽根直樹に敗れて挑戦権を逸する。8月9日、第37期棋聖戦Bリーグ優勝。8月30日(放送は9月28日)、21期竜星戦決勝で林漢傑を下し、竜星戦2連覇。11月8日、棋聖戦挑戦者決定戦で高尾紳路を下し、棋聖戦挑戦者に。

11月22日、60期王座戦で張栩王座を3-0で下し、初の王座獲得。史上二人目の五冠となる。11月29日、38期天元戦で河野臨を3-0で降し、天元位防衛。2012年は51勝12敗(勝率8割1分)の成績を残した。2012年の賞金総額は1億620万円で、初の賞金1億超えとなった。


2013年

2013年3月14日、37期棋聖戦で張栩棋聖を4-2で下し、初の棋聖獲得(23歳10か月での獲得は史上最年少)。史上初の六冠となり、史上三人目のグランドスラムも達成(最年少記録)。4月26日、十段戦で結城聡に2-3で敗れ、五冠に後退。六冠保持は43日で終了した。6月30日、自身初、日本では2005年の張栩以来8年ぶりのテレビ囲碁アジア選手権戦優勝(初の公式世界棋戦優勝)。7月18日、高尾紳路を4-3で下し、本因坊連覇。8月23日、碁聖戦で河野臨を3-2で下し、碁聖を防衛(二連覇)。10月17日、第38期名人戦で山下敬吾名人を4-1で下し、六冠に復帰。これにより、趙治勲に続く史上2人目の大三冠を達成。また実力制8人目の名人本因坊でもある。11月28日、第39期天元戦で秋山次郎を3-0で下し、天元を防衛(三連覇)。12月2日、第61期王座戦で張栩を3-1で下し、王座位を防衛(連覇)。43勝18敗(防衛戦が増えたためにリーグやトーナメントの出場機会が少なくなり前年よりも勝ち数を減らした)。賞金・対局料の総額が史上最高の1億6461万円に昇り、3年連続の賞金王となった。2013年は七大タイトル戦の挑戦手合にフル出場(史上初)。自己初の1億円突破となった前年(1億620万円)の1.5倍以上を稼ぎ、獲得額は2位の約5倍(3524万円)。


2014年

2014年1月23日、第52期十段戦挑戦者決定戦決勝で高尾紳路に敗れ、七冠挑戦には至らなかった。3月13日、第38期棋聖戦で挑戦者の山下敬吾を4-2で下し、棋聖初防衛。3月22日、日本棋院90周年記念として創設された現役タイトルホルダーによる棋戦優勝者選手権決勝で山下敬吾に勝ち、初代優勝者となる。7月1日、第69期本因坊戦で初の年少の挑戦者伊田篤史を4-1で下し、本因坊3連覇。8月29日、第39期碁聖戦で挑戦者の河野臨を3-2で下し、碁聖3連覇。10月18日、第21期阿含・桐山杯で河野臨を降し、3回目の優勝。

10月30日、第39期名人戦で挑戦者の河野臨を4-2で下し、名人連覇。11月28日、第53期森ビル杯十段戦本戦準々決勝で小林覚に半目負けし、この時点で2015年中の七冠独占は無くなった。12月16日、第62期王座戦で村川大介七段に2-3で破れ失冠。五冠に後退。12月19日、第40期天元戦で高尾紳路十段に2-3で敗れ、四冠となる。賞金総額は1億4078万円で4年連続1位となり、3年連続で1億超えとなった。


2015年

2015年3月20日、第39期棋聖戦で山下敬吾の挑戦を受け、三連勝三連敗後、最終局で一勝を返し3連覇。6月30日、第70期本因坊戦で挑戦者の山下敬吾を4-1で下し4連覇。8月7日、第40期碁聖戦で山下敬吾の今年三度目の挑戦を受け、3-1で下し4連覇。10月6日、第40期名人戦で高尾紳路天元を名人戦では5年ぶりとなる4-0のストレートで下し3連覇。11月19日、第63期王座戦で村川大介を3-0のストレートで下し王座位を奪還。七大タイトル獲得数24となり張栩を抜いて歴代4位となる。11月25日、第41期天元戦で高尾紳路を3-0のストレートで下し天元位を奪還。黄雲嵩を下し阿含・桐山杯日中決戦初優勝。下半期に林海峰と並ぶ歴代2位となる公式戦24連勝を記録する。賞金総額は過去最高の1億7212万円で2013年の総額記録を更新したが、この年の年末に妻の室田と離婚した。

魔王裕太 2020/10/24 22:47

2016年 七冠達成

2016年1月21日、第54期十段戦挑戦者決定戦で余正麒を下し、伊田篤史への挑戦権を獲得する。2013年以来、3年ぶり2度目となる7大タイトル戦フル出場を果たす。2016年4月20日、伊田から十段を奪取し、囲碁界初・将棋界も合わせると羽生善治に次ぐ七冠となった。さらにタイトル獲得数36となり林海峰名誉天元・依田紀基九段を上回り歴代7位となった。さらに史上初の七大タイトル全て3期以上獲得を達成。6月30日、第71期本因坊戦挑戦手合七番勝負第5局で高尾紳路九段に黒番177手中押し勝ちし、シリーズ対戦成績4勝1敗で本因坊防衛を果たした。井山はこれで本因坊5連覇で、永世本因坊資格を獲得した(二十六世本因坊)。七大タイトルでの名誉称号資格獲得は1993年の林海峯名誉天元以来、23年ぶりとなる。7月28日、第41期碁聖戦で村川大介に3連勝し碁聖5連覇。史上3人目の名誉碁聖となる。9月9日の本因坊就位式で本因坊の号を「文裕(もんゆう)」とすると発表した。本因坊ゆかりの京都・寂光寺の大川定信(じょうしん)住職が、知恵を象徴する文殊菩薩(ぼさつ)と、井山の名前から1字ずつ借りて命名した。しかしながら2016年11月3日の囲碁名人戦第7局において、挑戦者である高尾紳路九段に3連敗3連勝ののち敗れ、七冠全独占は197日で終了した。第64期王座戦では3-0で余正麒七段を、第42期天元戦では3-1で一力遼七段をそれぞれ下し、6冠を保持した。またタイトル獲得数40となり張栩九段を上回り歴代6位になった。


2017年 年間グランドスラム達成

2017年3月10日、第41期棋聖戦挑戦手合い七番勝負第6局で河野臨九段に白番150手中押し勝ちし棋聖位を防衛、棋聖5連覇を果たして名誉棋聖資格を獲得した。名誉称号3つは小林光一と並び最多タイ。また七大タイトル通算獲得数は32となり故加藤正夫名誉王座を抜いて単独3位となった。3月19日、NHK杯トーナメント決勝で一力遼七段を下し、初優勝。公式戦で唯一手にしていなかったNHK杯を獲得し、現行の国内すべての公式棋戦で優勝を記録した(参加資格の無い王冠戦・女流棋戦、参加資格年齢に達していないマスターズカップ、創設当時にすでに七段昇段して参加資格が無かった若鯉戦を除く)。4月21日、第55期十段戦で余正麒七段を3-1で防衛。5月31日、第22回LG杯世界棋王戦で周睿羊九段に中押し勝ちしベスト8進出。この勝利により2007年以来2回目となる日本での準々決勝開催が決まった。6月16日、第72期本因坊戦で本木克弥8段を4-0で下し、七大タイトル獲得数を34に伸ばして小林光一の持つ歴代2位の記録にあと1と迫った。また三大タイトル(棋聖、名人、本因坊)の獲得数を16とし小林光一の歴代2位に並んだ。7月25日、第42期碁聖戦で山下敬吾九段を3-0で下し、七大タイトル獲得数を35に伸ばして歴代2位に並んだ。

7月28日、名人リーグ戦で村川大介八段を下し、最終戦を待たずに7-0で名人挑戦を決めた(最終的に8戦全勝)。名人失冠以後すべての(七大)タイトルを防衛しての挑戦となった。9月15日、第29回テレビアジア選手権1回戦で李世乭九段に破れ2回目の優勝はならなかった。9月25日、第22回三星火災杯世界囲碁マスターズでベスト16まで進出したが、申眞諝八段に破れ8強進出はならなかった。 10月17日、第42期名人戦で高尾紳路名人を4-1で下し、名人戦を奪取して2度目の七大タイトル完全制覇を達成した。2度の七冠同時制覇は囲碁・将棋界を通じて初。さらに再び大三冠となる。また、七大タイトル獲得数を36に伸ばし、小林光一名誉三冠を超えて歴代単独2位となり、さらに三大タイトル獲得数でも小林光一を超え歴代単独2位となった。11月13日、LG杯世界棋王戦準々決勝で中国の楊鼎新六段に勝利しベスト4進出。日本棋士が持ち時間2~3時間の世界大会での4強進出は2011年8月第24回富士通杯以後6年3か月ぶり(井山3位の時)。15日、LG杯準決勝で現在中国No.1 の柯潔九段に中押し勝ちし決勝進出を決めた。決勝は翌年2月に行われ謝爾豪五段と対局する。11月20日、第65期王座戦で一力遼八段をストレートで下し、王座位を防衛した。11月24日、第43期天元戦で一力遼八段をストレートで下し、天元位を防衛した。これにより2017年の七大タイトルをすべて井山が獲得し、囲碁・将棋界を通じて史上初の年間グランドスラムを達成した。また、NHK杯とあわせ8つのタイトル獲得は史上最多。天元位獲得6期は林海峰名誉天元・小林光一を抜き歴代最多。さらにタイトル獲得数が48となり加藤正夫名誉王座を上回り、大竹英雄名誉碁聖と並んで歴代4位タイとなった。


2018年

LG杯世界棋王戦決勝にて謝爾豪五段との対局を三番勝負総合成績1勝2敗で落とし、またしても世界一の称号には届かなかった。第1局のうっかり負けが響き、第2局は逆転で取り返したものの、最終局では及ばなかった。2月13日、「年間グランドスラムを含む囲碁界初の二度の七冠同時制覇という歴史に刻まれる偉業を達成し多くの国民に夢と感動を社会に明るい希望と勇気を与えた功」で将棋の羽生善治と共に史上26人目の国民栄誉賞を受賞。2月16日、第42期棋聖戦で一力遼八段に4連勝し6連覇。昨年から王座戦・天元戦・棋聖戦と3連続で続いた一力との挑戦手合は井山の10連勝と圧倒した。3月18日、ワールド碁チャンピオンシップにシード枠で出場。同じく日本勢である山下敬吾を下し、決勝進出を果たす。翌19日、韓国ランキング1位の朴廷桓に敗れ、惜しくも準優勝に終わる。

4月12日、第56期十段戦では村川大介八段に3連勝し3連覇。これにより七大タイトルを全て5期以上獲得したことになる。また史上初の七大タイトル全てで3連覇以上を達成。7月1日、第74期本因坊戦で山下敬吾九段に4勝1敗で防衛。二十三世本因坊栄寿に並ぶ歴代3位タイの7期・7連覇達成。七大タイトル獲得数歴代1位タイまであと「1」とした。

8月3日、第43期碁聖戦では許家元七段に3連敗し失冠。2016年名人戦以来13タイトルぶりの七大タイトル失冠となり、七冠から六冠に後退した。井山は七大タイトル挑戦手合49回目にして初のストレート負けを喫した。11月2日、第43期名人戦では挑戦者に張栩九段を迎え3-1と王手をかけたがその後3連敗し3-4で五冠に後退した。12月13日、第66期王座戦で挑戦者の一力遼八段にフルセットの末3勝2敗で防衛(4期連続、通算6期)し五冠を維持。七大タイトル獲得数が趙治勲の42期に並んだ。それから6日後の19日、第44期天元戦でも挑戦者の山下敬吾九段にフルセットの末3勝2敗で防衛(4期連続、通算7期目)し五冠を維持。七大タイトル獲得数を歴代最多となる通算43期に伸ばした。2009年の初タイトルからわずか9年で新記録を達成した。

魔王裕太 2020/10/24 22:47

2019年03月16日 棋聖戦7連覇達成

【第43期棋聖戦】最終局詳解

囲碁の井山裕太五冠が新潟県で行われた棋聖戦の七番勝負の最終局に勝ってタイトル防衛を果たし、棋聖戦7連覇を達成しました。

井山裕太五冠は、ことし1月から行われている、七大タイトルで最も序列の高い棋聖戦の七番勝負で、山下敬吾九段の挑戦を受け、ここまで3勝3敗で、勝負の行方は最終局にもつれ込んでいました。

14日から新潟県南魚沼市で行われた最終局は最終盤まで優劣つけがたい熱戦となりましたが、15日午後9時前に313手までで、白番の井山五冠の6目半勝ちとなりました。

井山五冠は4勝3敗としてタイトル防衛を決め、棋聖戦7連覇を果たして五冠を守りました。

魔王裕太 2020/10/24 22:47

2019年03月18日 井山裕太五冠は2回戦進出

囲碁世界戦、井山が準決勝へ

囲碁の世界戦、第3回ワールド碁チャンピオンシップ(WGC)は18日、東京都千代田区の日本棋院で開幕し、日本の井山裕太五冠(29)が中国の江維傑九段(27)に勝ち、準決勝に進出した。準決勝で世界トップの一角、中国の柯潔九段(21)と対戦する。

囲碁世界戦、井山が準決勝へ

大会は日本、中国、韓国の3カ国から8人が出場し、優勝を争う。優勝賞金は2千万円。対局は持ち時間各3時間で、準決勝は19日、決勝は20日に行われる。

囲碁世界戦、井山が準決勝へ

もう一方の準決勝は、朴廷桓九段(26)―申真ソ九段(19)で、韓国勢同士の組み合わせ。日本からは他に張栩名人(39)が出場したが、申九段に敗れた。

囲碁世界戦、井山が準決勝へ

魔王裕太 2020/10/24 22:50

2019年03月19日 井山裕太五冠は準決勝敗退

日本、中国、韓国、台湾のトップ棋士8人による囲碁の国際棋戦「ワールド碁チャンピオンシップ2019」の準決勝が19日、東京都千代田区の日本棋院で行われた。日本代表の白番・井山裕太五冠(29)は193手までで、中国の柯潔(かけつ)九段(21)に中押しで敗れた。韓国勢対決となったもう1局は、朴廷桓(パク・ジョンファン)九段(26)が182手までで、申眞●(=ごんべんに婿のつくり)(シン・ジンソ)九段(19)に白番中押し勝ちした。20日の決勝は、3連覇を目指す朴九段と、数々の国際棋戦で優勝してきた柯九段で行われる。

第3回ワールド碁チャンピオンシップ 井山裕太五冠は準決勝敗退

井山五冠は平成29年に日本棋院で開催された「LG杯朝鮮日報棋王戦」で柯九段に勝利している。世界トップクラスの強い相手に違いないが、この日も果敢に打ち進め、中盤まで優勢を保った。日本棋院内で開催された大盤解説会でも、趙治勲(ちょう・ちくん)名誉名人が「いい打ち方をしている」と称賛し、見守るファンも決勝進出を信じていた。

しかし柯九段が鋭い手を連発。井山五冠の見損じもあり、昨年に続く決勝進出とはならなかった。

第3回ワールド碁チャンピオンシップ 井山裕太五冠は準決勝敗退

「勝つチャンスは多かったと思うが、結果に結びつけられず残念。精度の高い手を序盤から打てること、来たチャンスを逃さないところは、世界のトップの中のトップ」と振り返った井山五冠。一方、勝利した柯九段は「苦しい局面が多く、あきらめたときもあったが、勝つことができ運がよかった。あすもベストを尽くしたい」と語った。

「勝つチャンスは多かったと思うが、結果に結びつけられず残念。精度の高い手を序盤から打てること、来たチャンスを逃さないところは、世界のトップの中のトップ」と振り返った井山五冠。一方、勝利した柯九段は「苦しい局面が多く、あきらめたときもあったが、勝つことができ運がよかった。あすもベストを尽くしたい」と語った。

ふたたび舞台は国内棋戦に戻る。29日には「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第2局で、村川大介八段との一戦に向かう。

魔王裕太 2020/10/24 23:02

第66期囲碁王座戦 井山王座、大阪で就位式

井山王座、大阪で就位式  第66期囲碁王座戦

第66期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負を制して五冠を維持した井山裕太王座(29)の就位式が11日、大阪市内のホテルで開かれた。関西棋院の正岡徹理事長が王座允許(いんきょ)状を、日本経済新聞社の阪本浩伸大阪本社代表がトロフィーなど王座賞をそれぞれ手渡した。

昨秋の五番勝負で2年連続挑戦となった一力遼八段(21)を3勝2敗で破って4連覇を果たした井山王座は、地元大阪で「ほかのタイトル戦でもフルセットが続いて苦しい中、王座戦の最終局でなんとか結果を出せたのは自分にとって大きかった。この経験を糧にして前向きに進んでいきたい」と喜びを語った。

魔王裕太 2020/10/24 23:05

2019 年 03 月 05 日 井山十段先勝

【十段戦第1局】第1局詳解 井山十段先勝

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第1局が5日午前9時半から、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時17分、井山裕太十段が184手までで村川大介八段に白番中押し勝ちし、4連覇へ向け先勝した。持ち時間各3時間で、残りはともに1分だった。第2局は29日に、日本棋院東京本院で行われる。

立会人・石田篤司九段の合図で先後を決めるニギリを実施、村川の先番で前期と同じカードは始まった。

【十段戦第1局】第1局詳解 井山十段先勝

黒135が冷静な一着のあと、黒139と勝負手を打った。

【十段戦第1局】第1局詳解 井山十段先勝

ただ、右辺黒157に切った局面では、中央162とノビていたほうがよかったようで、白172で勝敗は決した。

【十段戦第1局】第1局詳解 井山十段先勝

井山十段の話「左辺白72では、74とハネるのが最善だったかも。シリーズは始まったばかり。気を引き締めて次に臨みたい」

村川八段の話「右辺の(黒157)キリがまずかった。第2局まで間隔が空くので気持ちを切り替えたい」

魔王裕太 2020/10/24 23:07

2019 年 03 月 24 日 決勝で井山破る、一力がNHK杯初優勝

一力がNHK杯初優勝

囲碁の第66回NHK杯トーナメントの決勝は24日に放送され、一力遼八段(21)が井山裕太五冠(29)を破り、初優勝した。

一力八段はこれまで第62回、第64回と決勝で敗れていた。今回は準々決勝で余正麒八段(23)、準決勝で許家元碁聖(21)と同世代の強豪を連破し、決勝では第一人者の井山五冠を破った。

一力八段は「準優勝が続いていたので、今年はなんとしてもという気持ちが強かった。結果を残すことができてほっとしている」と話した。

魔王裕太 2020/10/24 23:09

2019 年 03 月 29 日 十段戦第2局、村川が勝ち1勝1敗

十段戦第2局 【速報】村川が勝ち1勝1敗

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第2局が29日午前10時から、東京都千代田区の日本棋院東京本院で始まり、午後5時23分、挑戦者の村川大介八段が154手までで、井山裕太十段に白番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイにした。第3局は4月11日に、長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われる。持ち時間各3時間で残りは村川1分、井山2分だった。

魔王裕太 2020/10/24 23:11

第57期十段戦五番勝負第2局詳解

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

第1局とは先後を入れ替えた本局は、下辺で白18の様子見に、黒19が井山らしい反発。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

白26が黒二子を分断し、32と下がったのが明るい打ち回しだった。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

白52のあと、左辺が治まっていないなか、時間を使わず着手した黒53は、井山の厳しい踏み込み。対する村川は白56、58と厳しい攻めを続行

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

井山は63、65と踏ん張って難しい戦いとなった。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

白92が好手。中央の黒と、右上の白のせめぎあいに。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

さらに白102、106と緩まず、左辺白116となり黒がやや苦しい形になった。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

右上白140が冷静で中央の白四子を捨てた村川は、142までに優位を確定させた。

【十段戦】第2局詳解 村川八段が勝ちタイに

劣勢の井山は黒149から逆転を狙うが、村川が的確に対応。対井山戦の連敗を「13」で止めた。

村川八段の話、「右上(142)にまわって、形になったかなと。ようやく連敗が止められホッとしてる」

井山十段の話、「(黒59)ツケこしはふつうでは足りないと思って仕掛けたが、どうだったか。次も精いっぱい打つだけ」

魔王裕太 2020/10/24 23:14

2019 年 04 月 10 日 十段戦前夜祭 井山十段「ベスト尽くす」 村川八段「一矢報いる」

十段戦前夜祭 井山十段「ベスト尽くす」 村川八段「一矢報いる」

井山裕太十段に村川大介八段が2期連続で挑戦している産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第3局が長野県大町市のくろよんロイヤルホテルで行われる。これを前に10日、同ホテルで前夜祭が行われた。

井山十段の先勝で迎えた第2局は村川八段が熱戦を制し、1勝1敗のタイとなった。頂点に近づくのはどちらか、山場の一番だ。

前夜祭で井山十段は「明日の対局は厳しい戦いになる。ベストを尽くして頑張りたい」、村川八段は「平成最後のタイトル戦。これまでたくさん井山さんに負かされたので、一矢報いたい」と抱負を述べた。

持ち時間各3時間の1日打ち切り制で、立会人は馬場滋(しげる)九段。

魔王裕太 2020/10/24 23:16

2019 年 04 月 11 日 村川八段連勝 十段奪取に王手

村川八段連勝 十段奪取に王手

囲碁の第57期十段戦5番勝負の第3局は11日、長野県大町市で打たれ、挑戦者の村川大介八段(28)が151手で井山裕太十段(29)に黒番中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で十段奪取にあと1勝とした。残り時間は黒が3分、白が1分(各3時間持ち)。

第4局は19日に大阪市の日本棋院関西総本部で行われる。

魔王裕太 2020/10/24 23:20

2019 年 04 月 12 日 第43期棋聖就位式

第43期棋聖就位式

囲碁の第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)を制した井山裕太棋聖の就位式が12日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われ、約200人が祝った。井山棋聖は挑戦者の山下敬吾九段を4勝3敗で下し、7連覇を達成した。

老川祥一・読売新聞グループ本社取締役最高顧問・主筆代理から正倉院宝物の金銅鳳形裁文こんどうおおとりがたさいもんを写した鳳を刻み込んだ純銀製の棋聖大賞メダルと、賞金4500万円の目録が贈られた。

最終第7局で立会人を務めた大竹英雄名誉碁聖が「本当にすごい対局で、感動した。井山さんは囲碁界の宝、日本の宝だと思う」と7連覇を祝福。井山棋聖は「最終局は大変な碁だったが、最後は運も味方してくれたと思う。昨年から厳しい戦いが続いているが、こういう状況にも慣れてきた。これからも一局一局、目の前の一手一手を精いっぱい打っていきたい」と謝辞を述べた。

魔王裕太 2020/10/24 23:21

2019 年 04 月 19 日 平成最後のタイトル戦 村川が制す

村川が新十段

囲碁の第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局が19日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、挑戦者の村川大介八段が井山裕太十段に226手までで白番中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で十段のタイトルを初めて奪取した。規定により、20日付で九段に昇段する。一方の井山は、昨年の碁聖、名人に続く失冠で、四冠に後退した。

村川・新十段は兵庫県西宮市出身。2002年、11歳10カ月で関西棋院にプロ入り。名人戦リーグには7期連続で在籍中だ。

14年末に初の七大タイトルとなる王座を井山から奪ったが、その後は対井山戦で13連敗。しかし、今期十段戦第2局で連敗を止めると、第4局まで3連勝で初の十段獲得を決めた。村川は「連敗していた相手で信じられない。王座を取った時は満足してしまったので、気を引き締めたい」と話した。

一方、井山が四冠に戻るのは3年5カ月ぶり。15年11月の王座奪還以降、五冠以上を維持していた。年内の七冠再復帰も消えた。「また一から力を蓄えて戻ってきたい」と語った。

1歳上の井山裕太前十段(29)とは、小学2年生のころ碁を打ってもらって以来、一緒に囲碁を研究してきた仲だ。その井山前十段は七大タイトルを2度独占するなど、囲碁界の第一人者へ上り詰めた。目標にしてきた存在から、平成最後のタイトル戦となった今回、十段位を奪取することができた。

井山前十段は平成14年4月、自身はその7カ月後にプロ入り。井山前十段は16歳で史上最年少の棋戦優勝、20歳で史上最年少名人となるなど、いつも一歩先を進んでいた。

「子供のころから実力差があり、ライバルとはいかない。でも1つ年上なので、自分も次の年には同じぐらいに活躍しなければと思ってきた」と話す。

タイトル戦の頂点で戦うのは5回目で、相手は全て井山前十段だ。26年の王座戦では奪取したが、翌年の王座戦、28年の碁聖戦、30年の十段戦ではいずれもストレート負けを喫した。

井山前十段はぎりぎりの勝負で形勢を入れ替え、悪い局面をひっくり返す。強さを実感した。「もう勝てないのでは」とくじけそうにもなった。

だが、「ミスしたり、相手に想定以上の手を打たれたりして思い通りにいかなくても、粘り強く戦う」と臨んだ今期の十段戦。第2局で勝利をつかみ、26年12月からの対井山戦の連敗を「13」で止め、そのままの勢いで十段戦を制した。

平成最後にタイトルを獲得。「井山さんを目標にしてきた。それが自分にとっての平成かな」

魔王裕太 2020/10/24 23:23

2019 年 04 月 23 日 

第44期碁聖戦 井山のタイトル戦連続出場記録29でストップ

井山のタイトル戦連続出場記録29でストップ

第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦の準決勝が23日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、一力遼八段が本因坊文裕に219手で黒番中押し勝ちし、羽根直樹九段との決勝に進んだ。2015年の第70期本因坊戦以降、文裕がタイトルをかけて競う「挑戦手合」の連続出場記録は、歴代最長の29で止まった。

文裕は「ここまで続けられたのが信じられない。励みにしていた記録の一つなので残念だが、仕方ない」と振り返った。

日本棋院によると、文裕以外の7大タイトル戦挑戦手合の連続出場記録は、小林光一名誉棋聖と張栩名人の6が最長。

文裕は来月11日に岩手県大船渡市で開幕する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)で防衛戦に臨む。

魔王裕太 2020/10/24 23:25

2019 年 05 月 10 日 大船渡で本因坊戦第1局 あす開幕

大船渡で本因坊戦第1局

本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)が11日から、岩手県大船渡市の「おおふなぽーと(防災観光交流センター)」で始まる。8連覇が懸かる文裕と本因坊初挑戦の河野との戦いは、東日本大震災被災地で「囲碁のまち」を掲げて観光振興を進める大船渡で幕を開ける。

対局会場一帯は津波で壊滅的な被害を受けた。10日に大船渡入りした両者は復興の象徴として整備が進む商店街「キャッセン大船渡」などを視察し、歓迎会に臨んだ。

戸田公明・大船渡市長は「大船渡の魅力を全国に発信する絶好の機会」と歓迎。文裕は「震災で大変な思いをしながら着実に歩みを進める皆さんをいい手本に、大船渡の地から少しでも前進していきたい」、河野は「復興は想像もつかないほど険しい中、盛大に歓迎してもらい感謝している。力を精いっぱい出せるように努力したい」と決意を語った。

対局は午前9時開始で持ち時間は各8時間。立会は王銘エン九段、解説は趙善津九段、記録は外柳是聞三段と横塚力三段が務める。

魔王裕太 2020/10/24 23:28

2019 年 05 月 12 日 

河野が先勝  本因坊戦第1局

本因坊戦第1局 河野が先勝!

岩手県大船渡市の「おおふなぽーと(防災観光交流センター)」で行われていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第1局は12日午後5時12分、169手で挑戦者の河野臨九段(38)が本因坊文裕(もんゆう、29)=井山裕太九段=に黒番中押し勝ちし、初の本因坊位獲得に向けて好スタートを切った。残り時間は河野38分、文裕45分。

1日目の最後に起こった右下隅の競り合いで、文裕が封じ手で白76とアテたのに対し、河野は隅で生きることに成功し、リードを奪った。河野が左下隅や下辺でも手堅く地を稼ぐ間に、文裕は左辺で白106、114の連打から左上隅で広大な地を手に入れ、混戦でヨセに入った。最後は、河野が中央の黒を捨てて下辺の白を取りに行ったのが好手順となり、文裕の追い上げを振り切った。

解説の趙善津九段は「河野九段が序盤からリードを奪いましたが、その後堅めに打ったため際どい勝負になりました。黒155のハネ出しが読みの入った絶妙な手でした」と話した。

第2局は22、23の両日、甲府市の山梨県立文学館で打たれる。

本因坊戦第1局 河野が先勝!

河野臨九段の話 序盤の作戦に自信はなく、遅いかもしれないけど厚いからそれなりに勝負になると思っていた。中央でいい手が見えて勝ちになったと思った。

本因坊戦第1局 河野が先勝!

本因坊文裕の話 序盤途中までは予定通りだったが、1日目で少し悪くした。際どくなったと思ったが黒155のハネ出しがいい手で、正しく打たれたら負けだと思った。

魔王裕太 2020/10/24 23:31

2019 年 05 月 14 日

関西囲碁将棋記者クラブ賞 井山棋聖は8年連続12回目の受賞 

関西囲碁将棋記者クラブ賞 井山棋聖は8年連続12回目の受賞

第27回「関西囲碁将棋記者クラブ賞」は、囲碁の井山裕太棋聖と将棋の豊島将之棋聖に決まり、14日、大阪市福島区の関西将棋会館で表彰式が行われた。特別賞には、将棋の最年少プロ、藤井聡太七段の師匠で、順位戦B級2組への昇級を決めた杉本昌隆八段と、50年以上将棋教室を開くなど、アマチュアの指導や普及に大きく貢献した、若松政和八段に贈られた。

井山棋聖は8年連続12回目の受賞。「昨年から厳しい戦いの連続だが、碁の内容は自分の感覚では悪くないと思っている。来年も受賞できるよう頑張りたい」。初の受賞となった豊島棋聖は、昨年初タイトルの棋聖を獲得した後、王位も手に入れ、現在、名人戦に挑戦している。「昨年は飛躍の一年だった。今年度も頑張りたい」と話した。

魔王裕太 2020/10/24 23:33

2019 年 05 月 16 日 

井山vs 山下再び 第44期名人戦挑戦者決定リーグ戦

第44期名人戦挑戦者決定リーグ戦 16日、井山 VS 山下再び

張栩名人への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は16日、前名人の井山裕太四冠と、山下敬吾九段が対局する。今春の棋聖戦七番勝負でフルセットの激闘を交わした2人が、舞台を変えて再び相まみえる。朝日新聞デジタルでは対局開始の午前10時からライブ中継し、戦いが中盤の佳境を迎える午後3時から終局まで、内田修平七段が同時進行で解説する。持ち時間は各5時間。夜までに終局する。

井山はここまで2勝2敗と苦戦。過去43期の名人戦リーグで3敗者が挑戦権を獲得したのは1度しかなく、名人返り咲きには絶対に負けられない一戦で、難敵を迎える。一方の山下は、3勝1敗とリーグ暫定2位の好位置をキープ。4戦全勝で首位をゆく河野臨九段とは8月最終ラウンドの直接対局を残しており、自力優勝に向けて1敗死守をめざす。

同日にはこの対局のほか、首位の河野と現在1勝3敗の孫喆七段が対局する。現在本因坊戦七番勝負で井山に挑戦中の河野は絶好調。今月11、12日の第1局を制した。勢いに乗って名人戦でも無敗を守るか、リーグ残留に向けて剣が峰に立つ孫が意地を見せるか、これも注目の一局だ。

魔王裕太 2020/10/24 23:35

2019 年 05 月 22 日

本因坊戦第2局 井山が81手目封じて1日目終了

井山が81手目封じて1日目終了 本因坊戦第2局

本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第2局が22日、甲府市の山梨県立文学館の茶室「素心菴(そしんあん)」で始まり、午後5時2分、井山が81手目を封じて1日目の対局を終えた。

持ち時間各8時間のうち消費時間は文裕3時間15分、河野3時間47分。23日午前9時に再開する。

魔王裕太 2020/10/24 23:37

2019 年 05 月 23 日

本因坊戦第2局 河野臨九段が中押し勝ちで2連勝

河野臨九段が中押し勝ちで2連勝 本因坊戦第2局

甲府市の山梨県立文学館の茶室「素心菴(そしんあん)」で打たれていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第2局は23日午後6時27分、挑戦者の河野臨九段が本因坊文裕に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝とした。持ち時間各8時間のうち残り時間は文裕3分、河野47分。

1日目の最後に始まった左辺の攻防が、文裕の封じ手黒81で再開された。文裕は右辺に大きな黒地を確保しており、河野が左辺の黒を攻めつつ左上隅に広い白地を築けるかどうかが焦点になった。2日目再開当初、控室では河野が打ちやすいとの評判だったが、文裕は黒97から左上隅へ進出すると一転、「文裕優勢」の声が上がった。

しかし、文裕が黒125のマゲからさらに上辺を攻めると、双方の石が細かく絡み合う混戦に。難解な戦いの中、下辺で黒石が切られる手を文裕が見落として大石が取られる形となり、急転直下の終局となった。解説の本木克弥八段は「文裕が険しい道を選び、かえって混戦にしてしまった。文裕の見落としがなければ、まだ難しいヨセ勝負が続いていた」と振り返った。

第3局は6月4、5の両日、北海道函館市の五稜郭内の箱館奉行所で行われる。

河野臨九段の話 「黒にいい手があれば一気に差が開いても文句が言えないと思っていた。最後に黒を切断でき、勝ちになったと思った。」

本因坊文裕の話 「白162と出られて負けになってしまった。連敗は厳しい状況だが、第3局は自分の納得のいく碁が打ちたい。」

魔王裕太 2020/10/24 23:41

2019 年 05 月 26 日

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦 日本からタイトル保持者3名が出場

日本からタイトル保持者3名が出場 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦は5月27日韓国で開催される。日本からタイトル保持者3名が出場し世界王者を目指す。

日本からタイトル保持者3名が出場 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦

魔王裕太 2020/10/24 23:44

2019 年 05 月 27 日

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦 井山が快勝、2回戦の相手は柯潔

井山が快勝、2回戦の相手は柯潔 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦が5月27日に韓国京畿道金浦市の「ホテルマリーナベイソウル」で開幕した。1回戦では井山が勝ち上がり2回戦へと進んだが、張と許は敗退した。

29日の2回戦で井山は中国の柯潔九段と対戦する。柯潔が絶好調、4月26日から公式戦11連勝中です。柯潔の連勝を止めるか、2回戦の見どころ。

井山が快勝、2回戦の相手は柯潔 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦

井山裕太(日本) VS 李軒豪(中国)

魔王裕太 2020/10/24 23:46

2019 年 05 月 29 日

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦2回戦 井山が敗れ日本勢は敗退

井山が敗れ日本勢は敗退 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦2回戦

第24回LG杯朝鮮日報棋王戦(韓国京畿道金浦市「ホテルマリーナベイソウル」)の2回戦が5月29日に行われた。日本から出場している井山裕太九段は中国の柯潔九段に敗れ、準々決勝へ進むことが出来なかった。これで日本勢は敗退が決まった。

井山が敗れ日本勢は敗退 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦2回戦

井山が敗れ日本勢は敗退 第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦2回戦

魔王裕太 2020/10/24 23:48

2019 年 06 月 05 日

本因坊戦第3局 井山が逆転勝ち

河野が3連勝か、文裕踏みとどまるか 本因坊戦第3局

北海道函館市の五稜郭内にある箱館奉行所で打たれていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第3局は5日午後6時34分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に289手で白番半目勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。持ち時間各8時間のうち残り時間は、河野13分、文裕10分。第4局は13、14の両日、静岡県沼津市の旧沼津御用邸で行われる。

河野が封じた黒65のツケから2日目の対局が始まった。文裕が白72と右辺で戦いを誘って新たな競り合いに入ったが、河野に攻め筋が多く、文裕が神経をより使う展開で推移した。河野は黒99と上辺に着手すると、右上隅の黒との連絡に成功して地を稼ぎ、控室は「河野優勢」とした。

しかし、文裕は下辺のスキを突いて白142から黒地に侵入し、さらに中央に白地を築いて一気に差を詰めた。最後は、長いヨセ勝負を制した文裕が逆転勝ちを収めた。

解説の鈴木伸二七段は「河野九段は取られている黒をうまく活用して局面をリードしました。文裕は、左下隅での黒の見落としを突いて差を詰め、最善を尽くして粘りました。逆転したのは最後の最後でした」と総括した。

魔王裕太 2020/10/24 23:49

2019 年 06 月 12 日

本因坊戦第4局 シリーズの山場を迎える

シリーズの山場を迎える 本因坊戦第4局

本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第4局が13、14の両日、静岡県沼津市の旧沼津御用邸で打たれる。河野連勝の後、文裕が逆転で1番返して迎えた本局。文裕がタイに持ち込むか、河野が初の本因坊獲得にあと1勝と迫るか、シリーズも山場を迎える。

同市は、江戸時代後期に活躍し碁聖とたたえられる十二世本因坊丈和の出生地とされ、12日に到着した両対局者は、二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)が揮毫(きごう)した記念の石碑に献花して健闘を誓った。この日の前夜祭では、河野が「ファンの方にも丈和先生にもよい碁を見せられるよう努力したい」、文裕は「丈和先生は囲碁史に残る棋譜をたくさん残された。少しでもよい棋譜を残せるよう頑張りたい」と決意を語った。

対局は持ち時間各8時間。13日午前9時開始。午後5時に打ち掛けとなり、翌日に打ち継がれる。立会は二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)、解説は金秀俊九段、記録は小池芳弘四段と藤村洋輔三段が務める。

魔王裕太 2020/10/24 23:52

2019 年 06 月 14 日

本因坊戦第4局 2勝2敗のタイに

本因坊戦第4局 2勝2敗のタイに

静岡県沼津市の旧沼津御用邸で繰り広げられた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第4局は14日午後7時35分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に203手で黒番中押し勝ちして連勝し、対戦成績を2勝2敗のタイに持ち込んだ。持ち時間各8時間のうち残り時間は文裕2分、河野5分。第5局は18、19の両日、長野県松本市の松本ホテル花月で打たれる。

1日目は文裕が地合いでリードして終え、白70(12の四)の河野の封じ手から2日目の戦いに突入した。中央をめぐる囲い合いも考えられたが、河野の白86が黒地を制限する手で、ヨセ勝負の碁になった。

右辺の攻防に移り、文裕の黒97サガリが、白の死活に直結する右上隅のコウ争いを秘めたひねった手で、難しい中盤戦が続いた。

終盤、河野がジワジワとプレッシャーをかけたが、文裕が手厚いヨセで勝ちきった。

解説の金秀俊九段は「1日目のコウ争いの判断で本因坊がポイントを取った。挑戦者にとってはチャンスらしいチャンスが訪れず、本因坊の快勝といえる」と総括した。

本因坊文裕の話「2日目はヨセ勝負だと思い、右上でそれなりのヨセを打てて、勝ちになったと思った。次局も体調を整えて精いっぱい打ちたい。」

河野臨九段の話「序盤でコウを仕掛けたが、成果が上がらず失敗した。本局は内容が悪く、次は少しでも納得のいく碁が打てるよう頑張りたい。」

魔王裕太 2020/10/24 23:55

2019 年 06 月 19 日

本因坊戦第5局 8連覇へあと1勝

8連覇へあと1勝本因坊戦第5局

長野県松本市の松本ホテル花月で打たれた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第5局は19日午後6時23分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に200手で白番4目半勝ちした。

文裕は対戦成績を3勝2敗とし、歴代単独3位となる8連覇にあと1勝と迫った。持ち時間各8時間のうち残り時間は河野9分、文裕32分。第6局は7月3、4の両日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで行われる。

文裕が先に厚みを築いた中央での勢力争いをどちらが制するかの戦いとなった。文裕は白70、72と強気の手を繰り出し、白78で着実に模様を築いた。これに対し、河野は黒79で白模様を消しに行き、昼休憩直前の黒87のキリから黒107まで右辺に地を稼いだ。しかし文裕は、白98から白102と白二子を捨てて中央を広く囲ってリードを奪った。さらに白112と制して黒の動きを抑え、河野の追い上げを封じた。

解説の六浦雄太七段は「右上の地を明け渡す代わりに、中央の広さを取るのが良いと判断した文裕の構想が光った一局だった」と話した。

本因坊文裕の話 「左下方面が割と大きくまとまって少しいけるのではないかと思った。次局は、勝負はこれからと思って精いっぱい打ちたい。」

河野臨九段の話 「序盤で遅れてしまい、右辺を白に手厚くまとめられてチャンスがなかった。次局まで時間が空くので少しでも状態を良くしたい。」

魔王裕太 2020/10/24 23:58

2019 年 07 月 03 日

本因坊戦第6局 文裕8連覇なるか、河野逆王手か

文裕8連覇なるか、河野逆王手か 本因坊戦第6局

本因坊文裕に河野臨九段が挑戦し、文裕の3勝2敗で迎える第74期本因坊決定戦七番勝負の第6局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、阪急電鉄協力)が3日から、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで打たれる。連敗スタートの後、3連勝して歴代単独3位の8連覇にあと1勝と迫る文裕。一方、逆転での初戴冠を目指す河野。今期もいよいよ佳境を迎える。

両対局者は2日、囲碁ファンが詰めかけた前夜祭に臨んだ。河野は「七番勝負も終盤を迎えたが、今まで通り精いっぱい自分の碁が打てるよう頑張りたい」、文裕は同ホテルが来年2月末で営業を終了することを踏まえ、「このホテルでは印象深い対局が多い。感謝の気持ちを込めて戦いたい」と決意を述べた。

対局は文裕の先手番で3日午前9時開始。午後5時に手を封じて、4日に打ち継がれる。持ち時間は各8時間。立会は坂口隆三九段、解説は結城聡九段、記録は小松大樹三段と西岡正織二段が務める。

魔王裕太 2020/10/24 23:59

2019 年 07 月 04 日

本因坊戦第6局 封じ手は「9の三」

封じ手は「9の三」 本因坊戦第6局2日目

本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負の第6局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、阪急電鉄協力)は4日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで2日目の対局が始まった。

朝の吹田市内は雨が上がり、時々日も差している。対局室には前日とは逆に、文裕、河野の順で入った。定刻の午前9時、両対局者が前日の盤面を再現すると、立会の坂口隆三九段が文裕の封じ手を開け、「9の三の押さえです」と読み上げた。白への攻めを急がず、上辺に地を確保する手厚い一着だ。

文裕は黒85のツケから左上隅をコウにした。黒91のコウダテに河野は堅く受けず、白92と反発。文裕は「うん、うん」とうなずきながら考えている。

解説の結城聡九段は「受けるのは利かされと考えたのでしょう。右下の白の形がどうなっていくかも見どころです」と話した。

魔王裕太 2020/10/25 00:01

2019 年 07 月 04 日

本因坊8連覇 歴代3位の記録

本因坊文裕が8連覇 歴代3位の記録

第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第6局が3、4の両日、大阪府吹田市であり、井山裕太本因坊が、挑戦者の河野臨(こうのりん)九段に171手までで黒番中押し勝ちし、シリーズ通算4勝2敗で8連覇を果たした。

井山本因坊は開幕から2連敗したが、第3局で逆転勝ちして勢いに乗り、地元・大阪での対局も制して4連勝でタイトルを防衛した。井山本因坊は「第3局は運がよかっただけだが、それ以降は自分なりに今の力を出し切れた。8連覇はうれしいが、内容的にはまずい手も多い。少しでも成長できるように頑張りたい」と話した。

本因坊8連覇は、歴代3位の記録。1位は趙治勲二十五世本因坊が達成した10連覇。

魔王裕太 2020/10/25 00:06

2019 年 07 月 18 日

名人戦リーグ 井山が河野を破る、3人が同星首位に

井山が河野を破る、3人が同星首位に 名人戦リーグ

第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は18日、前名人の井山裕太四冠が、星一つ差で首位の河野臨九段を破った。これで芝野虎丸七段を加えた3人が5勝2敗の同星首位に。張栩名人への挑戦者争いの決着は8月の最終ラウンドにもつれ込む。

名人返り咲きをねらう井山はリーグ前半戦を1勝2敗と出遅れたが、その後4連勝し、先行する河野をとらえた。最終ラウンドは8月1日、4局が一斉に打たれる。首位3人の直接対決はすでに終えており、いずれも他の棋士と対戦。リーグ優勝が決まらず同星首位が複数並べば、同8日に序列上位2人によるプレーオフが行われる。首位3人の序列は、上位から井山、芝野、河野の順。

井山は「前半戦を考えれば、挑戦者争いに加わって最終局を迎えられたのはよかった。次も精いっぱい打ちたい」と話した。一方、河野は「まだ挑戦者になる可能性を残している。悔いのないよう最終局を打ちたい」と話した。

魔王裕太 2020/10/25 00:07

2019 年 07 月 25 日

井山が再婚 お相手は25歳の一般女性

井山が再婚

井山裕太四冠が20日に結婚したと25日、日本棋院が発表した。相手は一般女性という。井山四冠は平成24年に最初の結婚をしたが、27年末に離婚。井山四冠は現在、七大タイトルのうち棋聖・本因坊・王座・天元を保持している。

井山四冠のコメントは次の通り。

「この度、私事ではございますが、今月20日に一般女性の方と入籍をいたしましたことをご報告させていただきます。これからも一層精進し、棋士道を歩んでいく所存です。今後も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」

魔王裕太 2020/10/25 00:10

2019 年 08 月 01 日

名人戦リーグ 芝野と河野プレーオフに、井山脱落

囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦 芝野と河野プレーオフに、井山脱落

大詰めを迎えた第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8月1日午前10時、最終ラウンド4局が東京と大阪で一斉に始まった。挑戦者争いに絡むのが3局、リーグ残留争いに絡むのが1局。消化試合は一つもなく、例年以上の「囲碁界の一番熱い日」になりそうだ。

挑戦の可能性を残しているのは、リーグ序列順に前名人の井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段。5勝2敗の同星首位で並ぶ3人の直接対決はすべて終えており、それぞれ別の棋士と対戦する。ここで単独1位が決まらなければ、序列上位2人によるプレーオフに持ち込まれる。

最終ラウンドの残る一局、村川大介十段対孫喆七段戦は、どちらも負ければリーグ陥落の「鬼勝負」となる。序列上位の村川は勝てば残留。同時に、孫のほかに同じリーグ初参加組の鈴木伸二七段、六浦雄太七段3人の陥落が決まる。孫は勝てば六浦との残留プレーオフにまわる。同時に打たれる芝野対鈴木戦で鈴木が勝てば、リーグ初参加組3人で1人の残留枠を争う3者プレーオフとなる。

朝日新聞デジタルでは、全4局を対局開始からライブ中継。戦いが佳境を迎える午後3時からは、先にリーグ全局を打ち上げている六浦七段が、井山対羽根直樹九段戦を終局まで同時解説。自身の残留にもかかわる他の対局についてもコメントする。

午後6時44分、大阪・北浜の関西棋院で打たれていた村川対孫戦が終局。村川が白番中押し勝ちし、リーグ残留が決定。同時に孫、鈴木、六浦3人のリーグ落ちが決まった。東京・市ケ谷の日本棋院で芝野と接戦を演じている鈴木は、この結果を知らない。

午後8時56分、芝野が鈴木に黒番中押し勝ち。対局中の井山、河野が敗れればリーグ優勝=名人挑戦が決まる。井山、河野のどちらかが勝てばプレーオフとなる。検討陣によると、井山は混戦で勝敗不明、河野は劣勢、との評。

午後9時41分、井山は羽根直樹九段に白番中押しで敗れ、挑戦者争いから脱落。河野は山下敬吾九段と対局を続けており、形勢不明のヨセ合いが続いている。

午後10時45分、河野が山下に白番3目半勝ち。これにより挑戦権争いは芝野と河野のプレーオフに持ち込まれた。今年の本因坊戦プレーオフに続く同一カード。本因坊戦では河野が勝って挑戦者に。今回はどうか。8日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれる。

魔王裕太 2020/10/25 00:14

2019 年 08 月 29 日

三星火災杯本戦開幕  井山、趙善津、許家元が出場

30日、三星火災杯本戦開幕 井山、趙善津、許家元が出場

第24回三星火災杯ワールド囲碁マスターズ本戦が8月30日に韓国大田市の三星火災大田儒城研修院で開幕する。  本戦はシード13名(前回ベスト4、韓国4、日本2、中国2、主催者推薦1)と統合予選通過者19名(一般14、シニア2、女流2、ワールド1)の合計32名で争われる。

日本からは国シードで井山裕太九段と許家元八段の2名と統合予選シニア組で通過した趙善津九段の3名が出場する。対戦カードは以下:

井山裕太九段 VS 唐韦星九段

許家元八段 VS 李欽誠九段

趙善津九段 VS 陶欣然七段

魔王裕太 2020/10/25 00:16

2019 年 09 月 20 日

第74期本因坊就位式 8連覇祝う

第74期本因坊就位式 8連覇祝う

第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)を制した本因坊文裕の就位式・祝賀会が20日、東京都文京区のホテル椿山荘東京であった。ファンや関係者約200人が駆け付け、歴代単独3位の8連覇を祝った。

今期七番勝負で文裕は、挑戦者の河野臨九段に連敗する苦しい出だしとなったが、第3局に逆転勝ちして流れを引き寄せると、その後連勝し4勝2敗で防衛を果たした。棋聖、王座、天元と合わせた4冠を保持している。

式では、毎日新聞社の丸山昌宏社長、日本棋院の小林覚理事長、関西棋院の正岡徹理事長、大和証券グループ本社の竹内由紀子執行役員があいさつ。允許(いんきょ)状や本因坊盾を受け取った文裕は「第4局以降は、自分なりにベストの対局ができた。本因坊8連覇は自分自身想像もできず、最も相性のいい棋戦になっている。気持ちを新たに次の戦いに臨みたい」と謝辞を述べた。

魔王裕太 2020/10/25 00:17

2019 年 10 月 11 日

第45期天元戦挑戦手合五番勝負第1局 挑戦者の許が先勝

挑戦者の許が先勝 第45期天元戦挑戦手合五番勝負第1局

第45期天元戦5番勝負の第1局は11日、岐阜市で打たれ、挑戦者の許家元八段が179手で井山裕太天元に黒番中押し勝ちし、先勝した。

許八段は8月に碁聖を失って以来のタイトルを狙い、井山天元は5期連続8度目のタイトルを目指す。

第2局は21日、北海道ニセコ町で行われる。

魔王裕太 2020/10/25 00:18

2019 年 10 月 21 日

第45期天元戦5番勝負第2局  井山1勝でタイに

井山1勝でタイに 第45期天元戦5番勝負第2局

第45期天元戦五番勝負の第2局が21日、北海道ニセコ町で行われ、井山裕太四冠が161手までで、挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。第3局は11月22日、福岡県久留米市で打たれる。

魔王裕太 2020/10/25 00:19

2019 年 10 月 25 日

第67期王座戦第1局  芝野名人が先勝

第67期王座戦第1局 芝野名人が先勝

第67期王座戦五番勝負の第1局が25日、大阪市北区で行われ、芝野虎丸名人が271手までで、井山裕太四冠に黒番半目勝ちし、初の王座奪取と2冠に向け発進した。7冠制覇を2度成し遂げた井山王座と、今月8日に史上最年少で名人を奪取した芝野名人が、七大タイトル戦で顔を合わせるのは初めて。

終局後、芝野名人は「これからも大変だと思うので、これまで通り頑張れれば」、井山王座は「次の対局まで少しあく。いい状態で臨めるよう準備したい」とそれぞれ話した。

井山王座は今年出場した棋聖戦と本因坊戦を防衛。現在、天元戦でも許家元八段の挑戦を受けている。5連覇または通算10期獲得で名乗れる「名誉称号」を棋聖・本因坊・碁聖で保持しており、今シリーズではさらに「名誉王座」の獲得がかかる。

魔王裕太 2020/10/25 00:26

2019 年 11 月 22 日

第45期天元戦第3局 許が中押しで2勝目

第45期天元戦第3局 許が中押しで2勝目

井山裕太天元に許家元八段が挑戦している第45期天元戦5番勝負(西日本新聞社主催)の第3局が22日、福岡県久留米市のホテルマリターレ創世久留米で打たれ、午後4時56分、黒番の許が157手で中押し勝ちした。許は通算2勝1敗でタイトル獲得まであと1勝とした。

持ち時間各3時間のうち、残りは許1分、井山2分。第4局は12月9日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。

井山の白18(16十一)のハサミで戦いが始まり、右辺の小競り合いで井山がリード。左上の攻防では、許が地を稼いでポイントを挙げた。さらに上辺と中央の攻防で、井山が白128(10九)と打ったことで、結果的に右辺の白石が取られた。その代償として井山は左上の黒を攻めたが、許は堅実に生きを確保し、井山の投了となった。

立会人の坂口隆三・九段は「最初は白の方が面白かったが、中央の戦いで井山天元に読み違いがあったようだ。両者気迫のこもった熱戦だった」と総括した。

第3局は、ホテルマリターレ創世開業40周年記念として行われた。特別協賛は木下株式会社、協賛は日本製紙、宝酒造。

魔王裕太 2020/10/25 00:31

2019 年 11 月 29 日

第67期王座戦 芝野虎丸が最年少二冠

芝野虎丸が最年少二冠、井山裕太は7年ぶり三冠に後退 第67期王座戦

10月に囲碁史上初の10代名人となった芝野虎丸名人が井山裕太王座に挑む第67期王座戦5番勝負の第4局が29日、愛知県蒲郡市で打たれ、芝野が282手までで白番半目勝ちした。3勝1敗で王座を奪取、史上最年少の20歳0カ月で2冠となった。

終盤、井山が盛り返したが芝野はミスをせず熱戦を制した。「苦しんだ時間のほうが多かった。本当に運がよかった」。囲碁界の今後を占う戦いだった。平成の囲碁界は2度の7冠独占を果たすなど、井山が「一強時代」を築いてきた。

虎丸名人が直接対決で絶対王者を倒し、「ポスト井山世代」の先頭に躍り出た。2冠保持の最年少記録も8年ぶりに更新した。これまでの記録は11年に井山が達成した21歳11カ月。2冠について「ぜんぜん実感がわかないです」と、はにかんだ。虎丸名人がマイペースで突き進む。

魔王裕太 2020/10/25 00:31

2019 年 12 月 09 日

第45期天元戦五番勝負 2勝2敗に戻す、18日に最終局

第45期天元戦五番勝負 2勝2敗に戻す、18日に最終局

第45期天元戦五番勝負の第4局が9日、兵庫県洲本市で打たれ、カド番に追い込まれていた井山裕太天元が挑戦者の許家元八段に177手で黒番中押し勝ちし、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻した。最終第5局は18日、徳島市で打たれる。

井山は10日前に芝野虎丸名人に王座を奪われ、三冠に後退したばかり。しかし本局は序盤から優位に立ち、粘る許を寄せつけなかった。

最終局に名誉天元の資格を得る5連覇がかかる井山は「最終局までいけるのは非常にうれしい。最後なので悔いのないよう打つだけです」。敗れた許は「きょうの碁の内容はまずかった。最後は力を出し切りたい」と話した。

魔王裕太 2020/10/25 00:33

2019 年 12 月 19 日

第58期十段戦  挑戦者決定戦、井山 VS 芝野

十段戦挑戦者決定戦、井山 VS 芝野 第58期十段戦

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦」の挑戦者決定戦は、井山裕太三冠-芝野虎丸名で行われることに決まった。19日に日本棋院東京本院であった準決勝で大西竜平四段に勝利した芝野名人は来年1月、すでに勝ち上がっている井山三冠と対局する。

両者は今秋の王座戦五番勝負で対決し、芝野名人が王座を奪取している。初防衛がかかる村川大介十段との五番勝負は来年3月開幕予定。

魔王裕太 2020/10/25 00:36

2019 年 12 月 18 日

井山5連覇「名誉天元」獲得

井山5連覇「名誉天元」獲得 第45期天元戦第5局

第45期天元戦5番勝負(西日本新聞社主催)の第5局は18日午前9時から徳島市の徳島グランヴィリオホテルで打たれ、午後5時36分、井山裕太天元が挑戦者の許家元八段に234手までで白番中押し勝ちした。対戦成績3勝2敗で5連覇を達成、名誉天元の称号を得た。

2年連続でフルセットを制した井山は、天元獲得通算8期。名誉称号は本因坊、碁聖、棋聖に加えて四つ目となり、歴代単独最多となった。今年は4月に十段、11月に王座を失って五冠から三冠に後退したが、天元を防衛して踏みとどまった。

許は天元獲得の最年少記録がかかっていたが、更新はならなかった。

死闘を制し、三冠堅持-。18日の天元戦第5局は、井山が勝負強さを発揮し、許の挑戦を退けた。「最近の調子は悪くない」(井山)の言葉通り、今年最後のタイトル戦をものにした。

持ち時間各3時間のうち、残りは両者1分。終局直後、井山が「難しかった。分からなかった」と首をかしげた難解な戦い。大石の死活も絡んで、最後まで手に汗握る攻防が繰り広げられた。

右上一帯から競り合いが始まった最終局は、井山が白54(16十一)から64(16十四)と右辺に先着して有利な展開に持ち込んだ。しかし右下黒を取りにいった白106(18十五)が問題で、黒109(16十三)と切断されて中央白一団が危険になり、黒良しのムードに変わった。許は上辺白を攻めた後、中央白に襲いかかるなど懸命の攻めを見せたが、反撃に出た井山が左下黒との攻め合いに持ち込み、最後は手数が足りないと見た許が投了した。

立会人の石田芳夫二十四世本因坊は「右上は許八段が失敗した感じだったが、井山天元も右辺で打ち過ぎがあり、容易ならざる形勢になった。しかし井山天元の白148(6十)が絶妙のタイミングで盛り返し、押し切った一局」と総括した。

魔王裕太 2020/10/25 00:37

2020 年 01 月 05 日

関西棋院打ち初め式  井山3冠「調子は上向き」

井山3冠「調子は上向き」 関西棋院打ち初め式

語呂合わせで「囲碁の日」となる(1月)5日、日本棋院関西総本部の梅田囲碁サロン(大阪市北区)で打ち初め式があり、本因坊文裕が約80人の囲碁ファンと紅白の碁石で連碁を楽しんだ。2019年、二つタイトルを失った文裕は「最近は厳しい戦いが続き、心配をかけているが、(調子は)上向いてきているので、期待に沿える1年にできればと思っている」と述べ、相手が1手ごとに交代する連碁に、笑顔で応じていた。

一方、関西棋院(同市中央区)の打ち初め式では、唯一のタイトルホルダーの村川大介十段が「十段の防衛戦や世界戦など全ての棋戦で頑張りたい」と抱負を述べた。

魔王裕太 2020/10/25 00:37

2020 年 01 月 08 日

第44期棋聖戦七番勝負  9日開幕、井山棋聖に河野九段が挑む

9日開幕、井山棋聖に河野九段が挑む 第44期棋聖戦七番勝負

第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者河野臨九段の第1局が9日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開幕する。

棋聖戦史上最多タイの8連覇を狙う井山棋聖に、初の棋聖位を目指す河野九段が挑む。両者の七大タイトル戦は7度目で、過去6度はいずれも井山棋聖が勝利している。

8日に同ホテルで開かれたトークセッションで、井山棋聖は「河野さんとはたくさん対戦しているが(今回も)厳しい戦いになると思う。(本局が)私の今年の初対局となるので、いいスタートが切れれば」と意気込みを話し、河野九段は「大一番を前に昨日、誕生日を迎えた。井山さんにはお祝いの精神を忘れずに臨んでいただけるとありがたい」とユーモアを交えて抱負を述べた。

魔王裕太 2020/10/25 00:38

2020 年 01 月 10 日

第44期棋聖戦七番勝負 井山が8連覇へ発進

井山が8連覇へ発進 第44期棋聖戦七番勝負

第44期棋聖戦七番勝負の第1局が10日、東京都文京区で行われ。井山裕太棋聖が296手までで、挑戦者の河野臨九段に黒番5目半勝ちし、8連覇へ向け発進した。第2局は20、21日に埼玉県川越市で打たれる。

序盤はAI流の布石で、比較的速いテンポで進んだが、井山棋聖が右辺で築いた大模様に河野九段が白46と侵入を図った局面から、一転、両者慎重な着手が続いた。

井山棋聖は「序盤から今ひとつの流れになって、2日目も苦しいかなと思っていました」と初日の劣勢を跳ね返した対局を振り返り、非勢になっても諦めず打ち続けた河野九段は「次局は悔いのない碁を打てるよう頑張っていきたい」と話していた。

魔王裕太 2020/10/25 00:39

2020 年 01 月 20 日

第44期棋聖戦第2局 76手目封じ1日目終える

第44期棋聖戦第2局 76手目封じ1日目終える

第44期棋聖戦七番勝負、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第2局が20日午前9時、埼玉県川越市の「蓮馨寺」で始まり、午後4時44分、井山棋聖が76手目を封じて1日目を終えた。

井山棋聖の先勝で迎えた対局。序盤、井山棋聖が白26とつけ、左辺から競り合いが始まった。最強手の応酬で白の実利と黒の模様という分かれに。河野九段は黒45から下辺に手を付け、黒53と左辺の3子を取り切った。一方、井山棋聖は下辺の白の一団を安定させ、白74で右上の飛びに回った。

「黒53は問題だったかもしれない。白は54、56とうまく立ち回り、手厚く打ち進めている。今後、黒は上辺の白地を減らしながら、右辺の黒模様をどの程度まとめられるかが焦点になる」と話している。

魔王裕太 2020/10/25 00:41

2020 年 01 月 21 日

第44期棋聖戦第2局  井山が2連勝

井山が2連勝 第44期棋聖戦第2局

第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者河野臨九段の第2局が20日から埼玉県川越市の「蓮馨寺」で行われ、21日午後6時25分、井山棋聖が198手までで白番中押し勝ちし、シリーズ2連勝とした。

序盤、左辺で白の実利と黒の模様という分かれになった本局、井山棋聖は下辺の白の大石を強化しつつ右辺の黒模様を削減し、主導権を握った。河野九段は右辺から中央にかけて戦いを仕掛けてチャンスをうかがったが、井山棋聖が冷静に読み切り、難局を制した。

井山棋聖の話「流れは悪くないと思っていたが、中盤の重要な所で見損じがあるなど、反省点も多い。これからも大変な戦いが続くので、いい内容の碁を打ちたい」

河野九段の話「1日目から悔いのあり過ぎる碁だった。(3局目は)少しでもいい状態でベストを尽くしたい」

第3局は2月1、2日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われる。

魔王裕太 2020/10/25 00:45

2020 年 01 月 28 日

井山が賞金1億825万円  9年連続のトップ

井山が賞金1億825万円 9年連続のトップ

日本棋院は28日、2019年の賞金・対局料ランキングを発表し、井山裕太三冠(30)が1億825万円で9年連続のトップとなった。

1)本因坊文裕 1億 825万円

2)芝野虎丸名人 6766万円

3)一力遼八段 3684万円

4)張栩九段 3227万円

5)藤沢里菜女流立葵杯 2659万円

井山三冠は昨年、十段と王座のタイトルを失ったが、棋聖、本因坊、天元を防衛した。芝野二冠は昨年10月に名人を獲得して史上最年少の七大タイトル保持者になり、その後、王座も奪取し二冠となった。上野愛咲美女流本因坊は2077万円で全体の9位。

魔王裕太 2020/10/25 00:46

2020 年 01 月 30 日

芝野が十段戦挑戦者に  最年少で初挑戦

芝野が十段戦挑戦者に 最年少で初挑戦

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦」の挑戦者決定戦が30日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で行われ、芝野虎丸二冠が井山裕太三冠を破り、歴代最年少で初の十段戦五番勝負出場を決めた。

芝野二冠は平成11年、神奈川県生まれ。26年にプロ入り。29年、入段2年11カ月の史上最速で全員参加の一般棋戦(第26期竜星戦)で優勝した。昨年10月、19歳11カ月の史上最年少で七大タイトルの名人を獲得、11月には王座を獲得、最年少2冠となった。

 七大タイトル戦には3度目の出場となる。初防衛が懸かる村川大介十段とのシリーズは3月3日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で開幕する。

芝野二冠は「(村川十段は)戦いに強い碁という印象がある。大変な戦いになる。これまでと変わらず頑張りたい」と話した。

魔王裕太 2020/10/25 00:47

2020 年 02 月 02 日

第44期棋聖戦第3局  8連覇へあと1勝

8連覇へあと1勝 第44期棋聖戦第3局

第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第3局は長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われ、井山棋聖が153手までで先番中押し勝ちした。井山棋聖はシリーズ3連勝で、小林光一名誉棋聖に並ぶ8連覇まであと1勝に迫った。

対局は2日目に入り、河野九段が右辺の大石を捨てる決断をしたが、黒の井山棋聖が大きな利益を得る結果になった。ペースを握った井山棋聖は正確な読みで着実にリードを広げ、勝負手を連発して粘る河野九段を突き放した。

第4局は14、15日、福岡県太宰府市の九州国立博物館で行われる。

井山棋聖の話「最後、左辺から上辺の攻防で自分の打つ手が筋に入ってきたので、いけるかなと思った。(4局目へ向け)まだまだ大変。しっかり準備して臨みたい」

魔王裕太 2020/10/25 00:49

2020 年 02 月 15 日

棋聖戦第4局  河野九段が乱戦制す…1勝3敗に

河野九段が乱戦制す…1勝3敗に 棋聖戦第4局

囲碁界の最高位を争う第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第4局は14日から福岡県太宰府市の九州国立博物館で行われ、15日午後7時45分、河野九段が231手までで先番中押し勝ちした。河野九段はシリーズ1勝3敗とした。

2日目に入り、井山棋聖は白80と左辺の1子をかかえ、上辺と左上の両方のシノギを目指した。激しい競り合いから右辺で黒の一団を攻め立てて勝負に出たが、逆に中央の白の大石が薄くなる展開に。河野九段は右辺で3子を取り込むなどして次第に盛り返し、二転三転する形勢の中、逆転で乱戦を制した。

第5局は26、27日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

河野九段の話「終盤までずっと大変だと思っていたが、左下隅1子を取るヨセを打ったあたりで何とかなりそうかなと思った。依然として厳しい状況だが、悔いのないよう頑張りたい」

井山棋聖の話「上辺と左上の両方を頑張ればやれると思っていたのだが……。右辺の攻防ももう少しいい手があったかもしれない」

魔王裕太 2020/10/25 00:49

2020 年 02 月 27 日

棋聖戦第5局  河野九段が好判断で逆転勝ち、2勝3敗に

河野九段が好判断で逆転勝ち、2勝3敗に

囲碁界の最高位を争う第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖(30)と挑戦者・河野臨九段(39)の第5局は26日から神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われ、27日午後7時42分、河野九段が232手で白番中押し勝ちし、シリーズ2勝3敗とした。

対局2日目に入り、地合いでリードされた河野九段の勝負手が井山棋聖のミスを誘った。左辺のコウ争いを白162と解消したのが河野九段の好判断で、大きなフリカワリの末に逆転勝ちした。第6局は3月5、6日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で。

河野九段の話「ずっと形勢は難しかった。左辺がコウになって希望が出てきたが、本当に良くなったと思えたのはヨセに入ってから。次も一生懸命打ちたい」

井山棋聖の話「左辺から上辺にかけて、いっぱいに頑張り過ぎたかもしれない。この2局、少し良くなったかなという局面から負けている。次局はよいパフォーマンスを見せたい」

魔王裕太 2020/10/25 00:55

2020 年 02 月 28 日

第45期天元戦 井山裕太天元の允許状授与式

第45期天元戦 井山裕太天元の允許状授与式

本日予定された井山裕太天元の就位式が中止となり、関係者のみが出席する允許状授与式が日本棋院内で行われました。

井山天元は「非常に大変な状況の中で、式を開いて頂いてありがたいと思います。他棋戦でもしばらくこういう形が続くかもしれないですね」と不安そうでした。

第45期天元戦 井山裕太天元の允許状授与式

天元允許状授与式の最後は、関係者の記念撮影。 前列は左から、小林覚理事長、将棋の里見香奈清麗、井山天元、奥様、藤沢女流立葵杯。 里見清麗は、天元戦と同じ新聞三社連合が主催する女流王位戦のタイトル保持者で、本日予定されていた就位式に参加予定でした。

第45期天元戦 井山裕太天元の允許状授与式

天元允許状授与式では、藤沢里菜女流立葵杯が花束贈呈しました。藤沢立葵杯はドラマで女優デビューを果たしたばかり。「撮影は1時間くらい。台詞を噛まずに言えるか、ずっと緊張していました。放送を見るまでヒヤヒヤでしたが、意外と普通でホッとしました」と言い、満足の出来だったようです。

魔王裕太 2020/10/25 00:57

2020 年 03 月 06 日  井山が棋聖戦8連覇達成

第44期棋聖戦七番勝負 井山棋聖が棋聖戦8連覇達成

第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第6局が5日から甲府市の「常磐ホテル」で行われ、井山棋聖が262手までで白番3目半勝ちし、シリーズ4勝2敗で棋聖位を防衛した。

井山棋聖はこれで棋聖戦8連覇を達成、小林光一名誉棋聖が持っていた棋聖戦の連続防衛記録に並ぶとともに、すでに史上1位だった七大タイトル獲得数を47に更新し、本因坊、天元と併せて三冠を維持した。棋聖戦の優勝賞金は4500万円。

井山棋聖は大阪府出身。石井邦生九段門下で2002年にプロ入りした。16、17年の2度にわたって七大タイトル全てを獲得する「七冠」を達成し、18年には囲碁界で初めての国民栄誉賞に輝いた。

井山棋聖の話「(8連覇は)記録の上で小林先生に並ぶことができ、『よくできたな』という感じです。4局目、5局目も含め、まずい手も多かったので、何とか結果を残せたのは運が良かったです」

魔王裕太 2020/10/25 00:58

2020 年 03 月 12 日

井山、8年連続最優秀棋士賞  第53回棋道賞

第53回棋道賞 井山8年連続最優秀棋士賞

第53回棋道賞の最優秀棋士賞に、棋聖、本因坊、天元の三冠を守った井山裕太棋聖が選ばれた。8年連続8回目の受賞。タイトル戦主催各社の担当記者でつくる選考委員会は、井山と史上初の10代名人となった芝野虎丸名人の2人に票が二分され、最後は日本棋院の議長裁定で決着した。芝野は優秀棋士賞となった。

その他の各賞受賞者は次の通り。

新人賞:孫喆

女流賞:上野愛咲美

最多勝利賞:芝野虎丸

勝率第1位賞:一力遼(77%、47勝14敗)

連勝賞:一力遼富士田明彦(16連勝)

最多対局賞:一力遼芝野虎丸

成績優秀で将来が嘱望される囲碁の棋士に送られる「第57回秀哉賞」は芝野が初受賞。井山の連続受賞は7回で止まった。

魔王裕太 2020/10/25 00:59

2020 年 05 月 09 日

第75期本因坊戦の延期決定

第75期本因坊戦の延期決定 第1局、6月2・3日山梨県甲府市で

12日に開幕予定だった囲碁の第75期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の延期が8日、決まった。緊急事態宣言発令とともに公式戦はストップしており、両対局者はやむを得ない決定と受け止め、開幕に向けて準備を続けている。

9連覇を目指す井山裕太本因坊は「延期は仕方がありません。先が見えない状況の中、大変な部分もありますが、自分なりに準備をして、良い状態で開幕を迎えられるよう努力したいと思います」、初挑戦の芝野虎丸名人は「この状況なので、延期の可能性は高いのかなと思っていました。良い碁を打てるよう、今はしっかり勉強していきたいです。少しでも早く、心配なく対局、観戦できる日が来るよう願っています」と、それぞれコメントした。

第3局(6月2・3日山梨県甲府市)を第1局として実施いたします。延期対局の日程 場所は未定となります。毎日新聞社 日本棋院 関西棋院にて協議し、決定次第、あらためてご案内させて頂きます。なお、今後の情勢の変化により、第3局(6月2・3日山梨県甲府市)以降につきましても日程が変更となる可能性があります。

魔王裕太 2020/10/25 01:00

2020 年 06 月 08 日

第45期名人戦リーグ  井山開幕5連勝、山下は初白星

井山開幕5連勝、単独首位  第45期名人戦リーグ

芝野虎丸名人への挑戦権をかけた第45期名人戦リーグ戦は8日、単独首位の井山裕太3冠が羽根直樹碁聖を白番中押しで破った。これで開幕5連勝とし、挑戦権獲得に向けて大きく前進した。敗れた羽根は2勝3敗となり、挑戦権争いから脱落。残留争いに回る。

井山の次戦は、3勝1敗で2位につけている許家元八段。「言うまでもなく強敵。まだ先は長いので、悔いの残らないよう戦いたい」と話した。許は井山戦までに2局あり、今月11日に河野臨九段(1勝3敗)と、18日に林漢傑八段と対戦。連勝して井山戦を迎えれば、挑戦権のゆくえを左右する大一番となる。

リーグ戦はこの日もう一局あり、ここまで0勝4敗だった山下敬吾九段が張栩九段に白番11目半勝ちし、リーグ初白星を挙げた。張栩は2勝4敗。

山下にとって、コロナ禍で2カ月にわたり中断されていた対局再開後初の手合だった。「なにより碁を打てるのがうれしい。対局中断中、家に引きこもっていたが、気持ちをリセットできた部分があるかもしれない。初戦を勝てたので、これからも気持ちよく打てる気がする」と話した。

【第45期名人戦リーグ】(黒)羽根直樹九段 対 井山裕太九段(白)

【第45期名人戦リーグ】(黒)張栩九段 対 山下敬吾九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:02

2020 年 06 月 05 日

8連覇井山棋聖の就位式  「小林先生の記録に並べて誇り」と謝辞

8連覇井山棋聖の就位式 「小林先生の記録に並べて誇り」と謝辞

第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)を制した井山裕太棋聖の就位式が5日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で開かれた。井山棋聖は挑戦者の河野臨九段を4勝2敗で下し、小林光一名誉棋聖に並ぶ史上最多タイの8連覇を達成した。

老川祥一・読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆代理から正倉院宝物の金銅鳳形裁文を写した鳳を刻み込んだ純銀製の棋聖大賞メダルと、賞金4500万円の目録が贈られた。

井山棋聖は「自分の良さも、そうでないところも出た七番勝負だった。時代も状況も違うので一概には比べられないが、小林先生の記録に並ぶことができたのは誇り。新型コロナウイルスの感染拡大で大変な状況の中、対局できることへの感謝の気持ちを忘れずに進んでいきたい」と謝辞を述べた。

魔王裕太 2020/10/25 01:02

2020 年 06 月 14 日

第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第2局  井山2連勝

第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第2局 井山本因坊が2連勝

第75期本因坊戦七番勝負の第2局が13、14の両日、東京都千代田区の日本棋院で行われ井山裕太本因坊が143手までで、挑戦者の芝野虎丸名人に黒番中押し勝ちし、2連勝とした。当初は北九州市で実施される予定だったが、同市で新型コロナウイルス感染拡大が続いていたため、対局場が変更された。第3局は22、23日に兵庫県宝塚市で打たれる。

終局後、井山は「中央が全然判断できず、ずっとよく分からなかったです。黒も安定している石ではないので、薄くなると一気に自信がなくなると思っていました。右下を生きて中央がそんなにひどい目に遭わなければ、地合いでは少しリードしているかなと思いました。」

芝野は「右上の打ち方が重かったかなと。予想以上に形勢がよくなく、ただ、黒もまとめ方が難しいので、粘り強く打てればいいと思っていました。第1、2局と一方的な内容になってしまいましたが、最後また頑張りたいと思います」と、巻き返しを期していました。

関連棋譜:【第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第2局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)

特設ページ:第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負

魔王裕太 2020/10/25 01:04

2020 年 06 月 23 日

第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第3局  9連覇にあと1勝

第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第3局 9連覇にあと1勝

8連覇中の井山裕太本因坊に、名人・王座に続く三つ目のタイトルを狙う芝野虎丸名人が挑む第75期本因坊戦七番勝負第3局(毎日新聞社主催)が22、23の両日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルであり、井山本因坊が172手で白番中押し勝ちした。

連勝スタートで勢いに乗る井山本因坊は、序盤から優位に立つと、終盤まで強気の攻めを続け、押し切った。これで対戦成績を3勝0敗とし、史上2位タイとなる9連覇まであと1勝に迫った。

井山本因坊は「(9連覇は)まだあまり考えられない。中盤にまずいミスもあったので、しっかり修正して次に臨みたい」。3連敗で追い込まれた芝野名人は「結果はそんなに気にせず、いい碁を打てるように頑張りたい」と話した。

芝野名人「1日目でかなり白地が多い展開になったので、ちょっと苦しいかなと。2日目に中央を突き抜いて難しくなったと思っていたが、右下隅を生かしてちょっと大変にしてしまい、攻めの打ち方をしないとダメだった。結果はそんなに気にせず、次局もいい碁が打てるように頑張りたい」

特設ページ:第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第75期本因坊戦挑戦手合第3局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:05

2020 年 07 月 01 日

第75期本因坊戦第4局  3連敗の芝野三冠が1勝

3連敗の芝野三冠が1勝 第75期本因坊戦第4局

静岡県河津町の今井荘で打たれていた第75期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第4局は1日午後7時32分、挑戦者の芝野虎丸九段が井山裕太九段に166手で白番中押し勝ちし、対戦成績を1勝3敗として初の本因坊位獲得へ望みをつないだ。残り時間は文裕1分、芝野2分。第5局は8、9の両日、三重県鳥羽市の戸田家で行われる。

特設ページ:第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第4局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:06

2020 年 07 月 09 日

第75期本因坊戦第5局  芝野名人を破り防衛、井山本因坊9連覇

芝野名人を破り防衛、井山本因坊9連覇

第75期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第5局が8、9日に三重県鳥羽市で打たれ、井山裕太本因坊が、挑戦者の芝野虎丸名人に243手で白番4目半勝ちした。シリーズ4勝1敗でタイトルを防衛し、本因坊9連覇を遂げた。

七大タイトルの9連覇は、高川格九段の本因坊9連覇(1952~60年)と並ぶ歴代2位タイ。趙治勲名誉名人が達成した歴代1位の本因坊10連覇(89~98年)まで、あと1期に迫った。

今期本因坊戦は、七大タイトルのうち六つを占める井山、芝野の頂上決戦になった。井山は開幕3連勝で芝野を圧倒。第4局は落としたが、第5局で完勝してシリーズを制した。昨年、史上最年少で名人になった芝野は、その後二冠を加えて井山に挑んだが、七大タイトル戦初の敗退を味わった。

特設ページ:第75期本因坊戦七番勝負

関連棋譜:https://igo-kifu.com/kifu/5951

魔王裕太 2020/10/25 01:08

2020 年 07 月 21 日  第13回春蘭杯本戦 7月29日開幕

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、各国間の移動制限が生じているため、第13回春蘭杯がネット対局で行われることとなりました。7月29日(水)に1回戦(24強、シード8名2回戦から登場)、31日(金)に2回戦が行われます。準々決勝以降の日程は未定です。

当棋戦は2月開催の予定でしたが、中国におけるコロナウィルスの影響で延期となっておりました。

日本からは井山裕太九段、芝野虎丸九段、村川大介九段、余正麒八段、本木克弥八段が出場します。

魔王裕太 2020/10/25 01:09

2020 年 07 月 23 日

第13回春蘭杯1回戦抽選結果  日本勢5名本戦出場

第13回春蘭杯1回戦抽選結果

23日、第13回春蘭杯1回戦抽選が行われた。

日本からは井山裕太九段、芝野虎丸九段、村川大介九段、余正麒八段、本木克弥八段が出場します。

井山裕太九段 vs 申旻埈九段(韓)

芝野虎丸九段 vs 連笑九段(中)

村川大介九段 vs 李立言初段(北米)

余正麒八段 vs Ilya・Shikshin 三段(ロシア)

本木克弥八段 vs 姜東潤九段(韓)

魔王裕太 2020/10/25 01:10

2020 年 07 月 29 日

第13回春蘭杯1回戦  井山敗退、村川&余が2回戦進出

第13回春蘭杯 村川、余が2回戦進出

「第13回春蘭杯世界選手権」が29日に開幕、日本勢は5人が出場し村川大介九段と余正麒八段は勝利したが、井山裕太三冠、芝野虎丸三冠、本木克弥八段は敗退した。

中国主催の大会で当初、2月に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になっていた。韓国や台湾などから24人が本戦に出場しているが、移動の制限が生じているためインターネット対局で行われた。

日本勢の対局は次の通り。

×井山裕太九段-〇申旻埈九段(韓国)

×芝野虎丸九段-〇連笑九段(中国)

〇村川大介九段-×李立言初段(北米)

〇余正麒八段-×イリア・シクシン三段(ロシア)

×本木克弥八段-〇姜東潤九段(韓国)

 

7月31日(金)2回戦 日本勢の組み合わせ

村川大介九段 - 范廷鈺九段(中国)

余正麒八段 - 朴永訓九段(韓国)

魔王裕太 2020/10/25 01:11

2020 年 08 月 07 日

第45期名人戦リーグ最終節  井山が挑戦者に

第45期名人戦リーグ最終節 井山が挑戦者に

第45期名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終対局が6日、井山裕太三冠が林漢傑八段を破り8戦全勝で首位が決定、芝野虎丸名人との七番勝負(25日開幕)への挑戦を決めた。井山三冠は3期ぶり7度目の名人獲得を目指す。

井山三冠は平成21年、当時最年少の20歳4カ月で名人を獲得。一方、芝野名人は昨年、19歳11カ月で名人を獲得して井山三冠の記録を塗り替えた。今期の名人戦七番勝負は三冠同士の戦いで、囲碁界の頂上対決となる。

井山三冠と芝野名人がタイトル戦で顔を合わせるのは3度目。昨秋の王座戦五番勝負では芝野名人がタイトルを奪取したが、今年6~7月の本因坊戦七番勝負では井山三冠が防衛、9連覇を果たしている。

8戦全勝での挑戦権獲得について井山三冠は終局後、「結果としてでき過ぎ」と話し、芝野名人との対戦は「勢いも実力もある棋士。思い切ってぶつかりたい」と語った。

 

関連話題:第45期名人戦リーグ戦

関連棋譜:【第45期名人戦リーグ最終節】(黒)井山裕太九段 対 林漢傑八段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:13

2020 年 08 月 26 日

第45期名人戦七番勝負第1局  井山が先勝

第45期名人戦七番勝負第1局 井山が先勝

第45期名人戦七番勝負第1局が25、26の両日、東京都文京区で行われ、挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元=が275手までで、初防衛がかかる芝野虎丸名人・十段・王座=に白番1目半勝ちし、3期ぶりの名人獲得へ向け発進した。第2局は9月15、16日に兵庫県宝塚市で打たれる。

3冠対決第1ラウンドは、井山棋聖が制した。「1日目が終わった時点では、まだよくわからなかった。(相手の手は)厳しかった」と振り返った井山棋聖は「まだ始まったばかり。少しでもいい状態で第2局に臨めれば」と話した。

今回の名人戦は2日制で持ち時間各8時間の長丁場だ。序盤からじっくり考える井山棋聖は、時に記録係に「58秒、59秒…」とギリギリまで読まれながらも冷静に対応。一方、ポンポンと打ち進める芝野名人は1時間9分も考慮時間を残しての決着だった。

「同じ3冠といっても、並んだとは思っていない。挑戦者の立場で向かう」と話す芝野名人が第2局以降、巻き返すことができるか。

関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段 (白)

特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負

魔王裕太 2020/10/25 01:14

2020 年 09 月 16 日

第45期名人戦第2局  井山が2連勝

第45期名人戦第2局 井山が2連勝

午後7時12分、213手までで芝野虎丸名人が投了。井山裕太挑戦者が黒番中押し勝ちし、シリーズ2連勝とした。持ち時間各8時間のうち残りは両者とも1分だった。

両者秒読みの激戦が続き、検討室では名人がよしだったが最後に失着。名人はマスクをつけ、スーツの上着を着て、投了を告げた。

第3局は23、24の両日、山口市の「山口市菜香亭」で打たれる。

井山棋聖「1日目、序盤早々、左下の攻防ではっきり悪くなってしまい、あとは粘り強く打とうと思った。ここ最近は負けが続いていたので、まず一つ勝てて良かった。七番勝負としてはまだまだこれから。第3局も悔いのないよう、しっかり準備して臨みたい。」

「はっきりと読み切れていたわけではない。なんとかなるかなと思ったが、自分で思っていたより危なく、正しく打たれたら死んでいたと思う。」

芝野名人「2日目はずっと大変かなと思っていたが、途中から難しくなった。白模様に入った黒の死活は難しいと思ったけど、正しく打てばいけてたと思う。最後、黒207の手をまったく見ていなくて、打たれた瞬間にまずいとわかった。」

結果は良くなかったが、あまり気にせず切り替えて、集中して打てれば。

特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第2局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:15

2020 年 09 月 24 日

第45期名人戦挑戦手合第3局  芝野が1勝目

第45期名人戦挑戦手合第3局 芝野が1勝目

第45期名人戦7番勝負の第3局は23、24の両日、山口市で打たれ、芝野虎丸名人が211手で挑戦者の井山裕太三冠に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。第4局は29、30日に三重県鳥羽市で行われる。

 終局後、芝野名人の主な発言は次の通り。

「序盤からあまり見たことない形がつづき、判断が難しかった。どちらかというと自信のない場面が多かったが、全体として力は出せた。」

「一つ勝てて安心した。(次局は)集中してがんばれたら。」

「 白104、白106から、いろんな選択肢が生まれたので、そのいろいろを考えていた。うまくいったのは運が良かったと思う。」

井山挑戦者の主な発言は次の通り。

「まだまだ長い戦いになる。これまで通り結果を恐れず、次は自分の納得のいく碁を打てたら。」

「仕掛けていったが、全然うまくいっていない。白の勝ち筋はわかっていなかった。実戦が一番難しい形になったと思う。」

特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第3局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:16

2020 年 09 月 26 日

文裕の9連覇を祝った  本因坊就位式

本因坊就位式 文裕の9連覇を祝った

第75期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)を制した井山裕太九段の就位式・祝賀会が25日、東京都文京区のホテル椿山荘東京であった。新型コロナウイルスの感染防止のためファンの参加はなく、関係者約30人が文裕の9連覇を祝った。

棋聖、天元とともに3冠を保持する文裕は6~7月にかけて、王座、十段との3冠を獲得して勢いに乗る芝野虎丸名人の挑戦を受け、囲碁界初の“3冠対決”を4勝1敗で制した。9連覇は、二十五世本因坊治勲=趙治勲九段=の10連覇に次ぎ、二十二世本因坊秀格=高川格九段=と並ぶ歴代2位タイ。

魔王裕太 2020/10/25 01:18

2020 年 09 月 30 日

第45期名人戦七番勝負の第4局  井山が名人奪還へあと1勝

第45期名人戦七番勝負の第4局 井山が名人奪還へあと1勝

第45期名人戦七番勝負の第4局が9月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ、挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元が145手までで、芝野虎丸名人・十段・王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝1敗で3期ぶりの名人復位にあと1勝とした。第5局は13、14日に静岡県熱海市で打たれる。

中盤早々、盤面左上一帯の黒の大模様に名人の白石が突入。この一団を巡る攻防から戦いが全局に波及した。最後は挑戦者の大石の生死をかけた戦いに発展したが、挑戦者がしのぎ切り、勝負を決めた。

名人は1日目の58手目の封じ手で1時間41分の大長考を払い、白石に襲いかかる中央の黒の包囲網を破りにいったが、挑戦者の黒65が好手で、望んだ図を得られなかった。劣勢を意識した名人は、唯一の攻撃目標である中央の黒の一団に脅しをかけたが、挑戦者は大胆に無視し、黒89と左辺の白二子をちぎり取り、陣地の広さの優位を決定づけた。

もはや陣地の囲い合いで追いつけない名人は、白100から黒の大石を自陣に引き込んで総攻撃にかかる。両者秒読みのなか、ぎりぎりの勝負となったが、挑戦者が際どくしのいだ。

右下から中央に伸びる黒の大石が二眼をもち生きるかどうかが焦点となっている。この黒一団は中央付近に一眼を確保しており、145手目(7の十六)で左下の白一団が取られることになり、もう一眼がはっきりした。この黒一団が生きると、白は地合いで大きく及ばなくなるため、投了は仕方がない。

終局後、井山挑戦者の主な発言は次の通り。

「まだまだこれからだが、本局は自分らしく戦えたと思う。自分なりに納得のいく碁を打ちたい。2日目以降、少し打ちやすくなったと思っていた。黒89は成算があったというより、他にいまいちぴったりする手がなかったという感じ。いろいろよくわからないことだらけ。正しく打てばいけそうだと思っていってみた。難しい変化をはらんでいるので、正しく読み切れていたかはわからない。」

終局後、芝野名人の主な発言は次の通り。

2日目に入り、中央の黒の包囲網を破りにいったが、あまりうまくいかなかった。今日の午前中の段階で、はっきりだめといえる形勢にしてしまった。中央の黒石を取らないと勝ち目がないと思ったが、取れる石ではなさそうで、厳しいかなと思っていた。今回の碁はあまり内容がよくなかった。成績のことは気にせず、集中して打てたら。

関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)

特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負

魔王裕太 2020/10/25 01:19

2020 年 10 月 04 日

第27期 阿含・桐山杯決勝  井山が5年ぶり5回目優勝

第27期 阿含・桐山杯決勝 5年ぶり5回目優勝

第27期 阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦決勝 井山裕太九段ー山下敬吾九段の対局は201手まで井山裕太九段の中押し勝ちとなりました。井山裕太九段は5年ぶり5回目の優勝です。

井山九段「決勝まで来られたのは久しぶりだったので、一つ結果が出せたのは嬉しい」

山下九段「最近、決勝の舞台に立てなかったので決勝に出られて良かったが、結果は残念です」

関連棋譜:【第27期阿含・桐山杯決勝】(黒)井山裕太九段 対 山下敬吾九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:20

2020 年 10 月 08 日

第46期天元戦五番勝負第1局  一力が先勝

一力が先勝 第46期天元戦五番勝負第1局

井山裕太天元に一力遼碁聖が挑戦する第46期天元戦挑戦手合五番勝負【主催:新聞三社連合】の第1局が10月8日(木)午前9時から愛知県名古屋市の「賀城園」で行われた。結果は290手までで一力遼碁聖が黒番半目勝ちをおさめ先勝した。

一力碁聖のコメント 「一局を通して難しかった。中盤ははっきり黒が悪かった。中央のヨセが正しかったか分からない。半目勝負かなと思っていたが残りそうかなと思っていた。 幸先のよいスタートが切れてホッとしている。2局目以降も精一杯頑張りますので応援よろしくお願いいたします。」

井山天元のコメント 「2の一にハネられたのが大きかったのかもしれないが今はよく分からない。15の三のキリで中央に黒地がついた。中央に打っておいたほうが多分よかったと思う。 残念な1局とはなったがきわどい勝負にはなったと思う。しっかりと準備していい碁をみせられればと思う。」

第2局は20日に札幌市内で打たれる。

特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負

関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合第1局】(黒)一力遼八段 対 井山裕太九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:21

2020 年 10 月 14 日

井山が名人復位  史上初、3度目の大三冠

井山が名人復位 史上初、3度目の大三冠

三冠同士の頂上決戦となった第45期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は14日午後7時26分、挑戦者の井山裕太棋聖が芝野虎丸名人に178手までで白番中押し勝ちを収め、シリーズ4勝1敗で名人位を奪取した。

井山は棋聖、本因坊とあわせ、七大タイトルの中でも特に上位に位置づけられる三つのタイトルを独占。自身3度目の「大三冠」に返り咲いた。

名人位獲得は3期ぶり7回目。過去に3度失冠したが、2013年、17年、今回と、すべて名人復位と同時に大三冠を達成。ほかに大三冠を遂げたのは趙治勲名誉名人だけ。趙は2度達成しているが、それを上回る3度目の大三冠は、井山の驚異的な復元力を物語る。

今期名人戦は、一昨年に七冠独占が崩れてから初めて挑戦者として臨んだタイトル戦だった。前期に史上初の10代名人になった芝野に対し、積極的な打ち回しで流れを手放さず、芝野の挑戦を受けた今夏の本因坊防衛戦に続きシリーズを制した。

保持する七大タイトルは大三冠に天元を加えて四冠に。通算獲得数も49に伸ばし、2位の趙の42を引き離し、独走している。

特製ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負

【第45期名人戦挑戦手合第5局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段(白)

魔王裕太 2020/10/25 01:22

2020 年 10 月 20 日

第46期天元戦5番勝負第2局  井山が勝ち1勝1敗

第46期天元戦5番勝負第2局 井山が勝ち1勝1敗

第1局は一力遼碁聖が290手までで黒番半目勝ち。連勝すれば3度目の挑戦となる天元獲得へあと1勝と迫る。井山裕太天元は天元戦5連覇中で名誉天元の資格も持つ。第1局直後には名人位を奪取して4冠に復帰しており、巻き返しに期待がかかる。

20日、第2局が札幌市内で打たれ、黒番の井山四冠が223手で中押し勝ちし、1勝1敗とした。

第3局は11月27日に福岡県久留米市内で打たれる。

特製ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負

関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合第2局】(黒)井山裕太九段 対 一力遼八段(白)

魔王裕太 2020/10/28 00:28

2020 年 10 月 26 日

一力が竜星戦3連覇  第29期竜星戦

第29期竜星戦 一力が竜星戦3連覇

第29期竜星戦の決勝戦が26日、放送され、仙台市出身の一力遼碁聖が井山裕太四冠に221手で黒番中押し勝ちし、竜星戦史上初めて3連覇を果たした。通算優勝回数は4回となり、これまで最多だった小林光一九段と井山四冠の3回を更新した。

決勝戦は黒の一力碁聖が右辺に星と小目からの二間ジマリ、白の井山棋聖が左辺に2連星の布石で始まった。序盤、黒は右上の黒石7個を捨て石にして上辺に地を取り、右辺に模様を築く。

中盤、黒が下辺に地を取った代償として白が右辺の黒模様に深く入り込み、薄くなった黒を攻める。ここから競り合いが始まり、難解な攻防に発展する。

互角の形勢のまま終盤、黒が左下の白地を大きくえぐった上、左辺での戦いでポイントを挙げて優勢となり、押し切った。

一力碁聖は8月、碁聖戦5番勝負で羽根直樹九段に3勝0敗で勝ち、初の七大タイトルを獲得。現在、天元戦で井山天元に挑戦し、二冠目を目指している。

一力遼碁聖の話

「決勝戦は前例のない形の立ち上がりで難しい戦いが続いた。その中で最後まで強く打ち続けることができた。(3連覇は)苦しい碁が多く、自分でも出来過ぎだと思う。4連覇を目指してまた頑張りたい。」

関連棋譜:【第29期竜星戦決勝戦】(黒)一力遼八段 対 井山裕太九段(白)

魔王裕太 2020/11/28 06:28

2020 年 11 月 28 日

井山が防衛にあと1勝 第46期天元戦5番勝負第3局

第46期天元戦5番勝負第3局 井山が防衛にあと1勝

第46期天元戦5番勝負の第3局は27日、福岡県久留米市で打たれ、井山裕太天元が180手で挑戦者の一力遼碁聖に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗として防衛にあと1勝に迫った。

立会人の坂口隆三九段は「一力碁聖が白の大石への攻め方をもっと工夫すれば、勝負になったかもしれない。内容のある碁で、第4局も熱戦を期待したい」と話した。

井山裕太天元の話 白2、4の「両三々」はあまり打ったことがない。本局はこれでいってみようと思った。白86と黒3子を取ることはできたものの、実際の形勢は難しい。黒101と出られたときの対応がまずく、黒に食いつかれてしまった。白152と飛んで、何とかしのぐことができるのではと思った。

一力遼碁聖の話 白40と守られ、右下の白一団への攻めが効かなくなった。白52と打たれ大変かなと感じていた。白86と黒3子を取られ地合いでは負けているが、これからの勝負だと思った。黒109とポン抜くことができ食いつける格好になった。黒111と切った手は疑問だったかもしれない。

第4局は12月7日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。

特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負

関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合第3局】(黒)一力遼碁聖 対 井山裕太天元(白)

魔王裕太 2020/12/17 11:44

2020 年 12 月 07 日

第46期天元戦5番勝負第4局 天元戦2勝2敗タイに

井山裕太天元に一力遼碁聖が挑戦している第46期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局は7日午前9時から、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後4時38分、208手で白番の一力が中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。

持ち時間各3時間のうち残り時間は井山2分、一力3分。最終の第5局は16日、徳島市の「徳島グランヴィリオホテル」で打たれる。

【一力遼碁聖の話】白60が空振っているので甘かったか、と感じていた。白88までフリカワった局面はそれなりに難しい。白120とタタくことができ、正しく打てば残るかなと感じていた。白150と2子抜いたところでは手応えがあった。

【井山裕太天元の話】序盤、黒31、33とツケコシたところの折衝はこれで一局と思った。黒61、63のツケギリは自信があったわけではない。白88までのフリカワリは実戦的には大変。白120と打たれた場面は、はっきり足りない。

立会人の石田篤司九段は「終局直後の時点で、井山天元に敗着と言える手は見つかっていない。一力碁聖の好局で、本人も手応えを感じているのではないか」と話した。

特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負

関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合五番勝負第4局】(黒)井山裕太天元 対 一力遼碁聖(白)

魔王裕太 2020/12/17 11:45

2020年12月16日

第46期天元戦5番勝負 6連覇ならず、一力が阻止し二冠

第46期天元戦(新聞三社連合主催)五番勝負の最終第5局が16日、徳島市で打たれ、挑戦者の一力遼碁聖が、6連覇をねらう井山裕太天元に黒番中押し勝ちした。シリーズ3勝2敗とし、対井山6度目の七大タイトル挑戦で初めてタイトルを奪取した。

一力は1勝2敗のカド番から2連勝の逆転でシリーズを制した。芝野虎丸王座、十段を合わせて二冠と並ぶ二冠になり、規定により17日付で九段に昇段する。囲碁界は、七大タイトルでとくに上位にある名人、棋聖、本因坊を独占する「大三冠」の井山を軸に、若手ふたりが肉薄する構図が鮮明になった。

一力は七大タイトル初挑戦の2016年天元戦からこれまで井山に5度挑戦。17~18年の王座、天元、棋聖の3棋戦連続挑戦で勝ち星なしの10連敗を喫するなど、すべて退けられていた。終局後の取材に「井山先生にタイトル戦で勝つのがずっと目標だった。内容的にはまだまだだが、自分の力を出し切ることができたと思う」と話した。

井山は一昨年に七冠独占が崩れてから昨年までに三冠に後退したが、今年に入って復調。三冠同士の頂上決戦となった秋の名人戦では芝野からタイトルを奪取し、自身3度目の大三冠を達成した。絶好調の状態で天元戦を迎えたが、フルセットの末に一力に屈した。「全体に大事なところで精度を欠き、パフォーマンスに関していま一つだった」と話した。

関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合第5局】(黒)一力遼碁聖 対 井山裕太天元(白)

特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負

魔王裕太 2021/01/15 00:04

2021年 01月14日

第45期棋聖戦七番勝負第1局 9連覇へ好スタート

第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第1局が東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われ、14日午後7時57分、井山棋聖が244手までで白番中押し勝ちした。井山棋聖は棋聖戦最多の9連覇へ好スタートを切った。

第45期棋聖戦七番勝負第1局 9連覇へ好スタート

河野九段の得意な陣形に、井山棋聖が受けて立つ形で進んだ本局は、白68の封じ手以降、上辺で戦局が動いた。井山棋聖は白72と切った手から徐々に流れを引き寄せた。

第45期棋聖戦七番勝負第1局 9連覇へ好スタート

白88と左辺に打ち込んで黒の一団に厳しく迫った。リードを許した河野九段は辛抱強く打開策を探り、終盤、一気に決めにいった井山棋聖の隙を突いて際どい勝負に追い込んだが、わずかに井山棋聖が押し切った。

第2局は22、23日に富山県高岡市の「勝興寺」で行われる。

井山棋聖の話「2日目の左上の折衝で少し良くなったかと思った。(終盤、石を取りにいったが)誤算があり負けも覚悟した」

河野九段の話「1日目は地で先行され、少し遅れたかもしれない。2局目はいい碁を打てるように頑張りたい」

特設ページ:第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負第1局】(黒)河野臨九段 対 井山裕太棋聖(白)

魔王裕太 2021/01/24 00:52

2021 年 01 月 23 日掲載

第45期棋聖戦七番勝負第2局 井山2連勝

第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第2局が富山県高岡市の「勝興寺」で行われ、23日午後7時12分、井山棋聖が143手までで先番中押し勝ちした。棋聖戦史上最多の9連覇がかかる井山棋聖はシリーズ2連勝となった。

1日目、河野九段が封じた60手目は、右上隅で実利を確保する切り。白62からは下辺で競り合いが続き、河野九段が黒の大石を取りに行って、両者惜しみなく時間を投入し読み合う展開になった。最後は井山棋聖が白石を取り切り、熱戦を制した。

第3局は2月5、6日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われる。

井山棋聖の話「下辺の打ち方が悩ましかった。(攻め合いに勝って)最後に勝ちが見えた。運が良かった」

河野九段の話「1日目の左上隅は不本意な分かれとなり、少しずつ悪くした。最後の攻め合いでは錯覚もあった」

特設ページ:第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期棋聖戦挑戦手合7番勝負第2局】(黒)井山裕太棋聖 対 河野臨九段(白)

魔王裕太 2021/02/07 22:27

第45期棋聖戦七番勝負第3局

史上最多9連覇へあと11勝

2021 年 02 月 06 日掲載

第45期棋聖戦七番勝負第3局 史上最多9連覇へあと11勝

第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第3局が長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われ、6日午後7時28分、井山棋聖が186手までで白番中押し勝ちした。井山棋聖はシリーズ3連勝で、棋聖戦史上最多の9連覇へあと1勝と迫った。

井山棋聖の封じ手、白56は右下に地を確保する受け。井山棋聖は中央を動き出し、コウ絡みの接近戦となった。河野九段の黒97の切りから、右上隅でも激しい戦いになったが、井山棋聖が白106、112、122の好手を繰り出し、粘る河野九段を振り切った。

第4局は16、17日に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

井山棋聖の話「右上で得をして、正しく打てば残るかなと思った。(第4局へ向け)まだまだ大変なので精いっぱい準備して臨みたい」

河野九段の話「途中まではそれなりに勝負形のつもりだったが、上辺で悪くしてしまった。予想にない手もあり、難解な戦いだった」

特設ページ:第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期棋聖戦挑戦手合7番勝負第3局】(黒)河野臨九段 対 井山裕太棋聖(白)

魔王裕太 2021/03/06 18:45

2021 年 02 月 17 日掲載

第45期棋聖戦七番勝負第4局 河野がシリーズ初勝利

第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者・河野臨九段の第4局が16日から神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われ、17日午後7時44分、河野九段が212手までで白番中押し勝ちし、シリーズ1勝目を挙げた。

井山棋聖の開幕3連勝で迎えた本局は序盤、先番の井山棋聖が地を稼ぎ、河野九段が厚みを築く展開になった。河野九段は白64の封じ手以降、左辺の黒を攻める作戦に出た。井山棋聖は手順を尽くしてさばこうとしたが、河野九段が白102の好手を放って優勢に。中央に地をまとめながら着実に寄せ、井山棋聖の勝負手にも冷静に対応してカド番をしのいだ。

第5局は3月4、5日、新潟県南魚沼市の「ryugon」で行われる。

河野九段の話「勝負がどうなるか、最後まで分からなかった。依然としてカド番だが、次も自分の碁をしっかり打ちたい」

井山棋聖の話「2日目、白102のツケを打たれた後、まずい手を打ちリズムを崩してしまった」

特設ページ:第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期棋聖戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太棋聖 対 河野臨九段(白)

魔王裕太 2021/03/06 18:46

2021 年 03 月 05 日掲載

井山棋聖、史上最多の9連覇達成

第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)、井山裕太棋聖と挑戦者河野臨九段の第5局が新潟県南魚沼市の古民家ホテル「ryugon」で行われ、5日夕、井山棋聖が152手までで白番中押し勝ちし、シリーズ4勝1敗で棋聖9連覇を果たした。

9連覇は棋聖戦の連続防衛新記録。井山棋聖は史上1位の七大タイトル獲得数を50に更新し、名人、本因坊と併せて大三冠を維持した。

井山棋聖は大阪府出身。石井邦生九段門下で2002年にプロ入りした。16年と17年の2回、全七大タイトルを獲得する「七冠」を成し遂げ、18年には囲碁界初の国民栄誉賞を受けた。

井山棋聖の話「(棋聖戦9連覇は)励みになる記録。ギリギリの勝負を積み重ねてここまで来られて、非常にうれしい。(10連覇に)挑戦できることは大変光栄で、これからもさらに精進していきたい」

色紙に「祥風」と揮毫(きごう)した井山棋聖は、「コロナ禍などいろいろ厳しい状況の中、幸ある風が吹けばいいなという願いを込めた」と語った。

特設ページ:第45期棋聖戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第45期棋聖戦挑戦手合第5局】(黒)河野臨九段 対 井山裕太棋聖(白)

魔王裕太 2021/05/13 00:46

2021 年 05 月 13 日掲載

第76期本因坊戦第1局 井山が先勝、10連覇へ発進

群馬県高崎市の「旧井上房一郎邸」で11日から打たれていた第76期本因坊戦七番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、高崎市など共催)は12日午後7時4分、井山裕太本因坊が184手で挑戦者の芝野虎丸王座に白番中押し勝ちし、10連覇に向けて幸先のよいスタートを切った。持ち時間各8時間のうち残り時間は芝野1分、文裕10分。第2局は5月24、25の両日、秋田県能代市の旧料亭金勇で行われる。

1日目の序盤は早い流れとなったが、中盤に入って長考の応酬となり、右辺での激しい競り合いとなった。文裕の封じ手(78手目)は「13の十」で、黒地を減らす狙いの早生きの一手だった。文裕が白88と右上隅にツケると、芝野は1時間9分長考して黒89とカケツいだが、文裕は白102までで生きを確保した。昼食休憩後、芝野は左辺や下辺に黒105、113と勝負手を繰り出すが、文裕が冷静に対応して狙いを封じ込める。終盤、芝野は左辺で地を確保しようと粘るが、文裕が着実な打ち回しで振り切った。

解説の河野臨九段は「長い持ち時間での戦いに強い本因坊が、本局でもその力を安定して発揮した印象です。芝野王座も随所にらしさを見せ、2局目以降の戦いも楽しみになりました」と話した。

本因坊文裕の話 右上の黒地を荒らして少しいけるかなと思った。次も自分なりにしっかり準備して悔いのない戦いをしたい。

芝野虎丸王座の話 今日の碁はあまり内容がよくなかった。次に向けて気持ちを切り替えて打てたらいいかなと思う。

特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸王座 対 本因坊文裕(白)

魔王裕太 2021/07/08 18:48

2021 年 06月02日掲載

第76期本因坊戦第3局 芝野が連勝

大阪府守口市のホテル・アゴーラ大阪守口で打たれていた第76期本因坊決定戦七番勝負第3局は2日、挑戦者の芝野虎丸王座が本因坊文裕に149手で黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗としました。芝野王座が本因坊奪取に向けて一歩リードしました。

特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第3局】(黒)芝野虎丸王座 対 本因坊文裕(白)

魔王裕太 2021/07/08 18:49

2021 年 06月11日掲載

第76期本因坊戦第4局 芝野が奪取にあと1勝

第76期本因坊戦7番勝負の第4局は10、11の両日、北九州市で打たれ、挑戦者の芝野虎丸王座が124手で井山裕太本因坊に白番中押し勝ちし、対戦成績を3勝1敗として奪取にあと1勝と迫った。

第5局は21、22日に長野県松本市で行われる。

特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第4局】(黒)本因坊文裕 対 芝野虎丸王座(白)

魔王裕太 2021/07/08 18:50

2021 年 06月20日掲載

第76期本因坊戦第5局 井山が2勝目、2勝3敗に

本因坊文裕(井山裕太)に芝野虎丸王座が挑戦している、第76期本因坊戦挑戦手合7番勝負第5局(長野県松本市「松本ホテル花月」)は、218手までで井山が白番中押し勝ちした。これで対戦成績を2勝3敗とした。「どう決着するかの見通しが立たない状況で、どこまでいっても自信がなかった」と振り返った。

初戦に勝利した井山だが、第2局から3連敗。かど番に追い込まれたが、10連覇に向けて踏みとどまった。「前局までがまずすぎた。1つ返せたのは大きいが、まだまだ厳しい状況。自分なりに準備して、自分なりの碁を打ちたい」と気を引き締めた。

一方、敗れた芝野は「2日目の午前中にまずい図があった気がする。成績は気にせず、集中して打てたらいい」と話した。

井山がタイに追いついて最終第7局に望みをつなぐか、芝野がタイトルを奪取するか。第6局は29、30日、三重県鳥羽市「戸田家」で打たれる。

特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第5局】(黒)芝野虎丸王座 対 本因坊文裕(白)

魔王裕太 2021/07/08 18:51

2021 年 06月30日掲載

第76期本因坊戦第6局 井山が2連勝、最終局へ

第76期本因坊戦七番勝負の第6局が6月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ井山裕太本因坊が153手までで、挑戦者の芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗とした。最終第7局は7月6、7日に甲府市で打たれる。

趙治勲二十五世本因坊に並ぶ史上最多の本因坊10連覇がかかる今期の七番勝負で、井山本因坊は第4局を終えた時点で1勝3敗と追い込まれた。第4局の翌日、世界のトップ棋士が参加する中国団体戦の甲級リーグで中国の強豪・謝科九段と対戦し勝利した。インターネット対局とはいえ、タイトル戦翌日に公式戦に出場する異例の対応で弾みをつけると、第5局、第6局と連勝し、対戦成績をタイに戻した。

特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負

関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第6局】(黒)本因坊文裕 対 芝野虎丸王座(白)

魔王裕太 2021/07/08 18:51

2021 年 07月06日掲載

第76期本因坊戦第7局 井山が本因坊十連覇

本因坊戦七番勝負の第7局で、本因坊井山裕太三冠が勝利し、史上最多タイの10連覇を達成しました。

今回の本因坊戦では史上最年少で名人を獲得した芝野王座が第4局までに3連勝し、史上最年少での本因坊獲得にも期待が集まりましたが、井山三冠が王者の意地をみせました。

囲碁の家元に由来する本因坊戦は、タイトルを獲得すると本因坊の名を受け継ぐことができ、井山三冠も5連覇した後に本因坊文裕を名乗っています。

井山裕太三冠「目の前の1手の積み重ねでしかここ(10連覇)まで来られないので、精一杯やってきたことが結果につなげられて、非常にうれしく思います」

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関連棋譜:【第76期本因坊戦挑戦手合第7局】(黒)芝野虎丸王座 対 本因坊文裕(白)

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