第59期十段戦第5局
2021 年 04 月 28 日掲載
第4局まですべて黒(先)番が勝利してきた今期の五番勝負。最終局のためあらためてニギリが行われ、黒番になった許は黒25などうまく仕掛け右上黒49と振りかわった。
芝野の右下白72が珍しい一手で、黒77を誘って激しい戦いに発展した。昼食休憩をはさみ64分の長考で芝野は白80と打ったが、左上黒85が絶妙な一手で許が優位に立つ。
各所で難解な争いがおこる中、右辺白110、112と打って芝野が盛り返すが、左下の黒125、127が許の冷静な打ちぶり。芝野は146の勝負手で黒石を取りにいくが、許が中央の黒177から上辺を取りにいき勝負を決めた。
令和の囲碁界を牽引する両棋士の大舞台での対局は、昨秋の王座戦五番勝負以来。「意識して速く打つよう心がけた」と振り返る許。一方の芝野は「シリーズを通じて全体的に勝負どころでミスが多かった。防衛できずに残念」と声を落としていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負