第59期十段戦第4局
2021 年 04 月 20 日掲載
「大和ハウス杯第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局が20日午前10時から、東京都千代田区の日本棋院で行われ午後4時44分、芝野虎丸十段が149手までで許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイにした。最終第5局は28日に同所で打たれる。
右下黒5と芝野が愛用する一間ジマリの布石で始まった本局。許は右辺白46、48で仕掛ける。芝野が左辺に打った黒43では、中央53あたりに打てば右辺の黒地も大きくなったが、白に勝負をされるのを嫌い左辺に向かう作戦。午前中に55手まで進む速い展開となった。
許が本局最長の33分考えた右辺白58がやや疑問で、黒59から75まで、中央の白一団を取り込んだ芝野が打ちやすい展開にした。
許は白98で中央の石を補強しつつ、中央黒の攻め取りを目論むが、芝野は黒101、115など丁寧に補強。左辺の黒123も好手で、リードを広げた。
力強い打ちまわしを見せる芝野に対し、許は考慮時間を使って打開策を探るが光明が見いだせず、黒149に投了した。
対局後、芝野は「131、133と打つことができ手ごたえを感じた。大変な内容の碁が続いているが、集中して打ちたい」と意気込みを語った。一方の許は「次は泣いても笑っても最後なので、全力を尽くして挑みたい」と気持ちを切り替えていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負