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第29回LG杯決勝三番勝負争議の余波
中国囲碁協会、LG杯不参加を発表
2025 年 04 月 23 日掲載

中国囲碁協会は23日、2025年5月に開幕予定の第30回LG杯世界囲碁棋王戦に関して、「今期は代表チームを編成せず、不参加とする」方針を明らかにしました。ただし、韓国主催の他の国際棋戦への出場には影響しないと説明しています。
柯潔九段への判定を巡る論争
この決定の背景には、第29回LG杯決勝三番勝負の第3局で起きた判定争議があります。中国の柯潔九段が2回反則負けと判定され、韓国の卞相壹九段が優勝となりました。中国囲碁協会はこの判定に強く反発。試合中の裁判の介入タイミングが不適切であり、柯潔九段は過度な干渉により対局を続けられなかったと主張しました。協会は韓国棋院に再対局の申請を行いましたが、受け入れられなかったとしています。
中国囲碁協会はその後の声明で、「第3局の結果は受け入れられない」との公式立場を示しました。今回の不参加の決定について協会関係者は、「主催者側が声明内容や核心的な訴えに対して、これまで明確な反応を示していない」と説明しました。
韓国主催の他棋戦への参加は継続
同時に、LG杯への不参加は他の韓国主催大会への出場とは無関係であることも強調しました。実際、今年2月には韓国棋院が反則による敗北制度の撤廃を発表し、農心杯や世界最強棋士決定戦などでその変更が反映されました。中国囲碁協会はこの姿勢を評価し、これらの大会には通常通り棋士を派遣しています。
世界囲碁は発展を続けており、現在は日本・中国・韓国の3か国が中心的な存在です。「国際大会におけるルールの不統一や、争議解決の不明確さを浮き彫りにした」としており、ルールや争議処理の明確化に向けた協議を深めていくべきです。