SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025
2025 年 03 月 16 日掲載

SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025の決勝戦が3月16日、東京都江東区のホテル櫂会で行われました。日本代表の上野梨紗三段は、韓国の女流最強棋士崔精九段と対戦し、大逆転劇の末、白番で半目勝ちを収め、初優勝を果たしました。
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⭕️上野梨紗三段(日本) ― 崔精九段(韓国)❌
終盤の大逆転劇
対局は序盤から激しい戦いとなりました。崔九段はこれまで数々の国際タイトルを制してきたトップ棋士であり、中盤では一時AIの評価値が90%以上崔九段に傾き、形勢は大きく開いていました。しかし、上野三段は冷静に局面を判断し、粘り強く勝機を探しました。
終盤に入ると、崔九段が小さなミスを重ね、上野三段は少しずつ差を詰めました。そして、1線の絶妙な手(208手目)が勝負を決定づける一手となり、大逆転に成功しました。

対局後のインタビュー
「まだ実感が湧きません。尊敬する崔精九段と決勝で戦えただけでも嬉しかったのですが、まさか勝てるとは思っていませんでした。正直、途中はかなり苦しかったです。でも、自分の打ちたい碁を最後まで貫こうと思いました。」
姉妹での快挙
上野三段は、2022年に姉の上野愛咲美女流六段がSENKO CUPを制して以来、姉妹での優勝という快挙を達成しました。姉妹で同じ国際タイトルを獲得したのは囲碁界でも極めて珍しい記録です。

大盤解説会


