2024 年 08 月 22 日掲載
8月21日、第2回「衢州烂柯杯」世界囲碁公開戦の三番勝負決勝第2局が浙江省衢州市の国際囲碁文化交流センターで行われ、申真谞九段が191手で黒番中押し勝ちし、辜梓豪九段を2-0で破り大会を制覇しました。これにより、申真谞九段の世界棋戦でのタイトル数を7に伸ばしました。
戦いの経過
決勝第2局では、申真谞九段が黒番を握り、序盤から速いテンポで進行しました。両者は互いに手馴れた布石を展開し、勝率は均衡していました。しかし、右上角での戦闘が始まると、辜梓豪九段の白52や白56の一手がAIの評価を下げ、その後の白62の打ち込みも疑問手とされ、申真谞九段が明らかに優位に立ちました。この時点で、黒が盤面の空きを確保しつつ、厚みも生かした有利な形勢となりました。
中盤の決定打
中盤に入り、申真谞九段は左上での127手目のツケに対し、辜梓豪九段の128、130の応答が慎重すぎ、黒に劫を許したことで形勢がさらに厳しくなりました。申九段もその後、黒139手目や153手目でミスを犯し、一度は辜梓豪九段に逆転のチャンスが訪れました。しかし、時間に追われた辜梓豪九段が154手目で敗着を打ち、最終的には申真谞九段が黒155、157で下準備を整え、159、161で一気に白を崩し、勝利を決定づけました。
対局後のインタビュー
「試合前に多くの布石の変化を準備していましたが、実戦ではあまり出すことができませんでした。それでも全体的には良い内容で打てたと思います。去年の決勝第二局で負けたこともあり、今日は非常に緊張していましたが、勝つことができて本当に幸運でした」
勝負の一瞬について
「辜梓豪九段が白154で打ち込みを選んでいたら、形勢が逆転する可能性があったことは賛成しています。しかし、AIの勝率と実際の棋士の感覚は違うもので、勝率の変動があっても、対局中はそれほど大きな優位性を感じていませんでした。こういった状況は棋士にとって日常的なものであり、心の動揺も少なく、一手一手を丁寧に打つことを心がけました」
昨年のリベンジを果たして
「昨年の方が今よりも状態が良かったと思いますが、第2局で負けた後に心のバランスを崩してしまいました。今年は国内外の大会での調子があまり良くなかったため、第2局でも最後まで油断できませんでした」
衢州での思い出
「私のチームは杭州にあり、衢州とは非常に近い関係にあります。昨年の決勝もここで行われましたが、衢州の環境は素晴らしく、特に食事には非常に満足しています。ここでの時間はとても楽しいものです」
未来への展望と目標
「これまでに7つの世界タイトルを手にしましたが、どの勝利も簡単ではありませんでした。中国の棋士たちは非常に強く、自分に満足することはできません。今後も一局一局を大切にし、最善を尽くしていきたいと思います」
過去の大棋士たちを超える自信について
「李昌镐九段が世界チャンピオンを簡単に手に入れたように見えても、彼自身は多くの困難を経験したはずです。私もあまり高い目標を設定するのは避け、できる限りの努力を尽くしていきたいと思います」