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第10回応氏杯世界囲碁選手権
決勝五番勝負、重慶で開幕

2024 年 08 月 12 日掲載

第10回応氏杯世界囲碁選手権 決勝五番勝負、重慶で開幕

8月11日、「囲碁のオリンピック」とも称される第10回応氏杯世界プロ囲碁選手権の開幕式が中国・重慶市江北区で盛大に行われました。

重慶での応氏杯初開催

この大会は、応氏杯が初めて重慶で開催される記念すべきものであり、2023年に開催された第14回春蘭杯世界プロ囲碁選手権に続き、重慶市江北区が世界囲碁大会の決勝を連続して開催することとなりました。特に今回の重慶での開催は、応氏家族とこの地の深い縁を象徴するもので、1944年には応氏グループの創設者、応昌期氏が家族とともに重慶に移住し、現在の渝中区に居を構えた歴史があります。1991年には応昌期氏自身も再びこの地を訪れたというエピソードも残されています。

応氏杯

応氏杯は1988年に創設され、世界で最も歴史が長く、また最高レベルの世界プロ囲碁選手権として知られています。優勝賞金は40万ドルとされ、4年に一度、オリンピックの年に開催されるため「囲碁のオリンピック」とも呼ばれています。過去の9回の大会では、韓国や中国、日本の名棋士が栄冠を手にしており、囲碁界に多大な影響を与えてきました。

第10回応氏杯世界囲碁選手権 決勝五番勝負、重慶で開幕

コメント

中国囲碁協会の会長であり、応昌期囲碁教育基金会の理事長である常昊氏は、「応氏杯の決勝戦が重慶で行われることは、まさに『帰郷』とも言える」と述べ、今回の決勝が重慶で行われる意義を強調しました。また、応昌期氏がかつて住んだ三つの都市(寧波、上海、重慶)で連続して応氏杯が開催されることが、この大会に歴史的な意味を与えているとも語りました。

決勝に挑む謝科九段はこれまでに一力遼九段と4回対戦し、全て勝利しています。特に前回の応氏杯では、三番勝負の準決勝で2勝0敗と勝利し、今回の五番勝負に臨みます。「重慶での対局はこれまでにも数多く行ってきましたが、いつも良い結果を出してきたので、今回も幸運が続くことを願っています」と謝科九段は意気込みを語りました。

常昊氏は「両者ともに異なる強みを持ち、応氏杯との深い縁を感じる」と述べ、謝科九段が前回の準優勝者として連続して決勝に進出し、また一力遼九段が日本人棋士として28年ぶりに応氏杯の決勝の舞台に立つことを強調しました。「両者が最高のパフォーマンスを発揮し、世界中の囲碁ファンに名局を届けてくれることを期待しています」と締めくくりました。

関連棋譜:

【第10期応氏杯決勝五番勝負第1局】(黒)一力遼九段 対 謝科九段(白)