第18期朝日アマチュア囲碁名人戦
2024 年 07 月 29 日掲載
第18期朝日アマチュア囲碁名人戦三番勝負(朝日新聞社、日本棋院主催)が7月28日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。挑戦者の囲碁講師、夏冰(かひょう)さん(31)=京都市=が、初日に敗北しカド番に追い込まれた後、2日目に連勝して逆転し、2勝1敗で初のアマ名人位に就きました。
逆転のドラマ
初日の第1局では、大関稔さん(29)=神奈川県藤沢市=に完敗した夏さんは、2日目も苦戦を強いられました。午前中の第2局では、二つの大石が絡む攻めに遭い、絶望的な状況に陥りました。しかし、土壇場で大関さんのミスを突いて逆転。239手までで黒番中押し勝ちし、1勝1敗のタイに持ち込みました。
午後の第3局でも序盤から中盤にかけて劣勢に立たされましたが、終盤のヨセで追いつきました。両者が秒読みの中、形勢が二転三転する中で、267手までで黒番4目半勝ちし、見事な逆転勝利を収めました。
優勝者と敗者のコメント
大関さんは、「3局目は強気を貫けず、退いて負けてしまいました。勘違いが多く、実力不足でした」と敗戦の弁を語りました。
一方、夏さんは「第2局も第3局も何度も負けを覚悟しましたが、我慢に我慢を重ねて、わずかなチャンスをものにできました。運が良かったです」と喜びを語りました。
5連覇にならず
今回の勝利で、夏さんは昨年に続く挑戦で初のアマ名人位を獲得しました。これにより、大関さんの連覇は4でストップし、歴代最多となる5連覇の記録には届きませんでした。
関連棋譜:
【第18回朝日アマ名人戦三番勝負第1局】(黒)大関稔アマ名人 対 夏冰アマ(白)