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第62期十段戦五番勝負第2局
1勝1敗のタイに戻す

2024 年 03 月 25 日掲載

第62期十段戦五番勝負第2局 1勝1敗のタイに戻す

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第2局が、東京都千代田区の日本棋院で行われました。午前10時から始まり、午後5時13分に終了しました。この対局では、挑戦者である井山裕太王座(34)=碁聖=が190手までで、芝野虎丸十段(24)=名人=に白番中押しで勝利し、対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。持ち時間は各3時間で、残りは井山王座が2分、芝野十段が1分です。第3局は4月4日に、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われる予定です。

第1局とは先手・後手を入れ替えて行われた対局では、黒番の芝野十段が序盤から右上と右下で厚みを築りましたが、井山王座は隅の実利を稼ぎました。白72で右下隅で取られていたはずの白三子が復活し、井山王座にとって打ちやすい展開となりました。

さらに白は左辺で88、92とハイリスクハイリターンなコウ争いを仕掛け、下辺の黒石を飲み込んで優勢に立ちました。午後0時半の昼食休憩までに107手が進行し、黒は右下から中央に伸びる白の大石に寄りついて挽回を試みましたが、井山王座は危なげなくリードを維持し、芝野十段の追い上げを許さず、最終的に投了に追い込みました。

井山王座は「ある程度中央に進出できたあたりで悪くなさそうだと思った」と語り、芝野十段は「あっさり逃げられてしまった。また切り替えて次も集中したい」とコメントしています。