第68期王座戦五番勝負第2局
2020 年 11 月 06 日掲載
6日朝から仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで打たれていた第68期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は午後6時26分、芝野虎丸王座が221手で挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちした。第1局に続く連勝で、タイトル初防衛まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち残りは王座1分、挑戦者2分。第3局は11月17日、神戸市のホテルオークラ神戸で打たれる。
芝野王座が用意した布石は20~30年前に流行した高中国流で、人工知能(AI)で研究し直して有効性を確認していた。挑戦者は上辺で地合いを稼ぎ、黒の勢力下の右辺で白60から動き出す。それに対し「右下の白石と絡めながら、手厚く冷静に攻めた芝野王座がペースを握った」と立会人の小林光一名誉棋聖ら控室のプロ棋士はみていた。
焦点は左辺に転じ、王座は黒101から中央の白石に狙いを定める。挑戦者が紛れを求めて勝負手を連発する中、王座の左上の黒159が読みの入った手だった。左上隅の白石を仕留められた挑戦者は、代償として右上の黒の大石に襲いかかるが、王座が冷静に対応した。
解説の平田智也七段は「少しでも間違えれば大逆転する緊迫した場面が続いた好勝負だったが、王座の読みが一歩上回った」と話している。
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