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第28期竜星戦決勝
上野女流棋聖、竜星戦優勝ならず

2019 年 09 月 23 日掲載

第28期竜星戦決勝 上野女流棋聖、竜星戦優勝ならず

第28期竜星戦決勝が23日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、一力遼竜星が上野愛咲美女流棋聖に白番中押し勝ちし連覇、通算3期目の竜星位を獲得した。上野女流棋聖は、全棋士が参加できる一般棋戦で女流棋士初の4強入りを果たすなど快進撃を続けてきたが、優勝はならなかった。

タイトル獲得が9期になった一力竜星は「投了寸前までいったので、勝てたのは運が良かった」と安堵した様子。一方、敗れた上野女流棋聖は「ここまでこれたのが、だいぶ奇跡のよう」と話しながら「(終盤に)間違えちゃいました」と苦笑いした。

プロ4年目の上野女流棋聖は今期の竜星戦で16人による決勝トーナメントに進出すると、1回戦でタイトル獲得15期の高尾紳路九段を、2回戦では七大タイトル保持者の村川大介十段を撃破。さらに14日の準決勝では、10月開幕の天元戦五番勝負への挑戦を決めている許家元八段に勝利するなど、並み居る強豪を倒してきた。

10月開幕の女流本因坊戦五番勝負で対局する、女流四冠の藤沢里菜女流名人は「プロになる前から強かったが、“ハンマーを振り回すような”と言われる戦う棋風にバランスも加わり、今期の竜星戦は上野さんらしさが出ていた」と分析。「女流棋士でも一般棋戦の壁を破ってくれた。刺激になる」と後輩の活躍をたたえた。

上野女流棋聖は平成13年、東京都出身。28年にプロになると、30年の第21期女流棋聖戦三番勝負で謝依旻女流棋聖(当時)を破り、16歳3カ月で女流棋聖を獲得。今年1月には藤沢女流名人を破り初防衛を果たしている。