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井山十段先勝
【十段戦】第1局詳解
2019 年 03 月 05 日掲載

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第1局が5日午前9時半から、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時17分、井山裕太十段(29)=五冠=が184手までで村川大介八段(28)に白番中押し勝ちし、4連覇へ向け先勝した。持ち時間各3時間で、残りはともに1分だった。第2局は29日に、日本棋院東京本院で行われる。
立会人・石田篤司九段の合図で先後を決めるニギリを実施、村川の先番で前期と同じカードは始まった。

流行の二連星の対抗になったあと白14、16と井山が戦いを仕掛けた。


辺から中央でしばらく競り合う展開と思われた局面で、村川が黒33、35と動いた。


これに井山も白36と最強に応じたため、両者の主張がぶつかりあう激戦に。ただ、村川に打ちすぎの面もあり、左上から左辺の折衝では井山が流れをつかんだ。

黒89から村川は右上の白に襲いかかる。

これも井山は白100ハサミツケからあざやかにシノギ、白108、110と黒のダメヅマリを強調する。白122と上辺を生きて、白が優位をキープした。村川は下辺の戦いに最後の望みをかけた。

黒135が冷静な一着のあと、黒139と勝負手を打った。

ただ、右辺黒157に切った局面では、中央162とノビていたほうがよかったようで、白172で勝敗は決した。

井山十段の話「左辺白72では、74とハネるのが最善だったかも。シリーズは始まったばかり。気を引き締めて次に臨みたい」
村川八段の話「右辺の(黒157)キリがまずかった。第2局まで間隔が空くので気持ちを切り替えたい」