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6月24日に日本棋院の新理事長に就任した高尾紳路九段が記者会見に臨み、立候補を決意した経緯や今後の改革方針について語りました。高尾新理事長は、日本棋院が直面する厳しい経営状況や囲碁界の将来に対する強い危機感を示し、「スピード感を持って課題解決に取り組みたい」と決意を述べました。
日本棋院の存続すら危ぶまれる
高尾理事長は、立候補を決意した最大の理由について「日本棋院に強い危機感を抱いたからです」と説明しました。
現在の厳しい経営状況に触れ、「このままでは日本棋院の存続すら危ぶまれると感じています」と率直な認識を示しました。
また、経営面だけでなく棋士制度についても見直しが必要だとの考えを明らかにしました。棋士会選挙後の質疑応答では、引退制度や定年制度の導入を求める声も寄せられたといい、「棋士の生活に直結する問題であり、簡単に決められるものではありません」と説明。今後は棋士や関係者の意見を丁寧に聞きながら、多くの人が納得できる着地点を探っていく考えを示しました。
若手育成と普及活動を重視
ナショナルチーム監督として若手棋士と接してきた経験についても語りました。
高尾理事長は、中国や韓国と比べて日本の囲碁界は人材不足という大きな課題を抱えていると指摘。一方で、日本の若手棋士たちが日々努力を重ねていることも評価しました。
その上で、「世界で戦うためには才能ある子どもたちを発掘し、育てていくことが必要です」と述べ、囲碁普及の重要性を強調しました。
自身も5月から親子向けの入門教室を始めたことを紹介し、「ヒカルの碁世代の保護者の方々に囲碁を思い出してもらい、子どもたちにも『ヒカルの碁』を読んでもらうなど、囲碁に触れる機会を増やしていきたい」と語りました。
本院会館問題は早期決着へ
老朽化が進む東京・市ケ谷の本院会館の売却・移転問題についても言及しました。
この問題は長期間にわたり理事会で議論されてきた経緯があり、「長い時間をかけて出された結論は尊重されるべきだと考えています」と述べました。
一方で、現時点では公表できない事項も多いとして具体的な言及は避けながらも、「できるだけ早い時期に結論を出せるよう努力したい」と話しました。
普及への努力が足りなかった
高尾理事長は、日本棋院の課題として囲碁普及への取り組み不足も挙げました。
「囲碁を全く知らない人に囲碁に触れてもらう努力が、日本棋院として十分ではなかったのではないか」との認識を示し、公益財団法人としての使命である囲碁普及を今後の重要課題に位置付けました。
特に子どもたちが囲碁に接する機会を増やすことを重視し、将来の囲碁界を支える新たなファンや才能の発掘につなげたい考えです。
愛される日本棋院をつくる
その上で、「一つ一つ課題を解決しながら前へ進み、新しい日本棋院、信頼される日本棋院、そしてファンの皆さまに愛される日本棋院をつくっていきたい」と抱負を語りました。