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6月15日、藤沢秀行名誉棋聖の生誕百年を記念し、「生誕百年の集い」が日本棋院で盛大に行われました。会場には棋士たちが多数出席し、それぞれが藤沢先生との思い出を語りました。
勝負師としての厳しさに加え、人間味あふれる一面を持っていた藤沢先生の独特な人柄が生き生きと語られ、会場には笑顔と感動が広がりました。
数々の成績を残した、挑戦の人生
藤沢秀行名誉棋聖は、大正14年(1925年)6月14日、神奈川県横浜市に生まれ、本名は「保(たもつ)」です。昭和9年に院生となり、1950年にはモト子夫人と結婚、家庭を築きながら囲碁人生を歩み始めました。
棋士としての転機は1957年、第1期首相杯争奪戦の優勝。その後も、日本棋院第一位決定戦(1959年)、第1期名人位獲得(1962年)と、次々にタイトルを獲得します。新設タイトルの初代王者になることが多かったことから、「初物食いの秀行」とも呼ばれました。
1964年には、のちの女流本因坊・藤沢里菜さんの父である五男・一就さんが誕生。家庭には6男1女の子宝に恵まれましたが、経済的には困難な時期もあり、自宅が競売にかけられたこと(1975年)もあったそうです。夫人は池坊の免状を取得し、家計を支えるために生け花教室を開いたこともありました。
棋士としては、棋聖・名人・王座・天元などのビッグタイトルを数多く制覇。1977年には棋聖位を獲得し、1982年には棋聖戦6連覇という偉業を成し遂げました。その間にもNHK杯や早碁選手権、プロ十傑戦などでも優勝を重ね、勝利数のトップ賞を獲得した年もあります。
闘病と共に歩んだ晩年
藤沢先生はがんやリンパ腫の治療中も一切対局を休まず、不屈の精神を貫かれました。胃がんの手術後や放射線治療の副作用の中でも碁盤に向かい続ける姿勢は、関係者だけでなく多くのファンに感動を与えました。
1991年には66歳で王座を奪取、翌年に防衛。1999年に73歳で引退するまで、生涯を囲碁に捧げ続けた棋士として、その生き様を示しました。2009年、83歳で永眠されましたが、その精神は今も色褪せることはありません。
主な年表(抜粋)
1925年:神奈川県横浜市生まれ
1957年:第1期首相杯争奪戦優勝
1962年:第1期名人位獲得
1967年:王座獲得
1976年:天元戦優勝
1977年:棋聖位獲得
1982年:棋聖戦6連覇達成
1991年:王座奪取
1999年:現役引退
2009年:永眠
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