TOP | ニュース一覧 | 芝野が初勝利でシリーズ1勝2敗に
第49期名人戦第3局
芝野が初勝利でシリーズ1勝2敗に

2024 年 09 月 18 日掲載

第49期名人戦第3局 芝野が初勝利でシリーズ1勝2敗に

第49期名人戦挑戦手合第3局が三重県鳥羽市の「戸田家」で行われ、芝野虎丸名人が白番で挑戦者の一力遼棋聖を204手で中押し勝ちし、シリーズ初勝利を飾りました。これで芝野名人は1勝2敗とし、巻き返しを図っています。

「戸田家」での対局

対局場所となった「戸田家」は、一力挑戦者にとって過去に良い思い出のある場所です。昨年の本因坊戦七番勝負第7局では、井山裕太本因坊(当時)との大一番を制して4勝3敗で自身初の本因坊を獲得しました。また、今年5月には余正麒八段を相手にした本因坊戦五番勝負第3局にも勝利し、3連勝で初防衛を果たしています。

前日の取材で一力棋聖は、「戸田家さんは本因坊戦の獲得と防衛を決めたゲンのいい場所です。いいイメージを持って対局に臨めます。今日はおいしい食事と温泉でリフレッシュして、明日からの対局に備えます」と笑顔で語っていました。

一方、芝野名人にとっても「戸田家」での対局は今回で5回目となります。初対局は2020年の本因坊戦七番勝負第5局で、井山裕太現三冠に3連敗を喫しましたが、2022年の名人戦七番勝負第2局では井山名人(当時)に勝利し、名人位奪還のきっかけとなりました。

芝野名人は前日の取材で「戸田家さんには何度か来ていますが、自分の場合、対局場所と内容が結びつかないんです。でも、景色が良く、ゆっくり過ごせるので気に入っています」と自然体の笑顔を見せていました。

激しい攻防

名人戦第3局は、一力挑戦者の大石をめぐる複雑な攻防となり、両者のシノギ勝負が繰り広げられました。芝野名人は壮絶な読み合いを制し、最後には挑戦者のコウでの粘りを振り切って勝利を収めました。これにより、シリーズは1勝2敗となり、無敗で勢いに乗る一力棋聖に初めて土をつけ、流れを引き戻しました。