芝野名人の地元で
2024 年 08 月 27 日掲載
第49期囲碁名人戦七番勝負が8月27日、神奈川県相模原市で幕を開けました。この対局は芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する形で進行します。今回の舞台となる相模原市は、芝野名人が約20年間住んでいた場所であり、彼にとって特別な意味を持つ地です。対局が行われる「杜のホールはしもと」は、2001年に開館し、普段は市民が音楽や演劇を楽しむ場として親しまれています。
前夜祭
対局に先立ち、前夜祭が相模原市緑区の老舗日本料理店「小田原屋」で行われました。前夜祭には関係者約40人が集まり、日本棋院の武宮陽光理事長があいさつに立ちました。武宮理事長は、自身の祖父が市内で開業医をしていた際に近くの碁会所に通っていたというエピソードを披露し、「芝野名人は相模原が生んだスター。この対局はまさに頂上決戦だ」と期待を寄せました。
市長も出席
前夜祭には腎臓がんの手術を終えたばかりでこの日退院した本村賢太郎市長も出席しました。市長は「市制70周年を迎える中で、囲碁界を牽引する二人をここに迎えられて非常に嬉しい。素晴らしい一局が見られるとワクワクしている」と語り、地元の名士としての誇りを感じさせました。
贈り物、「勝風」に込められた願い
さらに、市から芝野名人と一力棋聖に対して「勝風」と書かれた相模の大凧など、地元の名産品が贈られました。この贈り物には、両者に「勝利の風」が吹くようにとの願いが込められています。名人戦の結果がどうなるか、地元住民のみならず全国の囲碁ファンが注目しています。