第10回応氏杯第2局
2024 年 08 月 14 日掲載
8月14日、中国重慶市のニコロホテルで行われた第10回応氏杯世界プロ囲碁選手権決勝第2局で、一力遼九段が中国の謝科九段を260手で9点勝ちし、五番勝負で2勝0敗とリードを広げ、応氏杯初優勝に王手をかけました。
序盤からの激しい攻防
謝科九段が黒番を持ち、積極的な姿勢で挑みました。特に序盤から黒棋は空角を占めずに中央を意識した打ち方を見せ、一力九段の白を右上で猛攻しました。しかし、その後一力九段は大きな損失を被る形で右上の白石を捨てる選択をし、形勢は一時、黒に有利となりました。
逆転への序章
対局が進むにつれて、謝科九段の優位はますます明確になり、勝率も80%以上に達しました。しかし、一力九段はここで諦めることなく、冷静に対応を続けました。特に、上辺で白石が薄い状況を生かしながらも、黒大石を攻めることで逆転のチャンスを狙いました。
失われた勝機と一力九段の執念
最も決定的な局面は、中腹での黒大石が活きるかどうかにかかっていました。謝科九段は冷静さを欠き、一力九段に逆転の糸口を与えることになりました。特に、最後の局面で黒石が不必要な手を打ち、白石の厚みを作らせる結果となりました。これにより、白が一気に逆転し、最終的には謝科九段が大逆転負けを喫する形となりました。
今後の対局予定
第3局:9月8日(中国 上海)
第4局:9月10日(中国 上海)
第5局:9月12日(中国 上海)