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第62期十段戦五番勝負第3局
初防衛に王手

2024 年 04 月 05 日掲載

第62期十段戦五番勝負第3局 初防衛に王手

産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第3局が4日、午前9時半から長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われました。午後5時9分、芝野虎丸十段(24)=名人=が240手までで、挑戦者の井山裕太王座(34)=碁聖=に白番中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で十段位初防衛へあと1勝としました。持ち時間各3時間で、残りは芝野十段、井山王座ともに2分です。第4局は15日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれる予定です。

序盤では井山王座が仕掛けた黒27の切りに対して芝野十段も受けて立ち、左下隅で競り合いが繰り広げられました。黒は下辺に連打しましたが、左辺でうまく形を決めた白が下辺に回って治まり、地合でリードを築きました。

芝野十段は白122で中央の黒石を抜いて厚みを築き、右辺の大場を先手で打って下辺を生かしました。黒もヨセ勝負に持ち込みましたが、先に秒読みに入った芝野十段が正確に打ち進め、井山王座の追随を許さなかったのです。

十段位初防衛に王手をかけた芝野十段は「中央で相手の石を抜くことができ、形勢がよくなった。結果は気にせず、次も集中して打ちたい」と意気込んでいます。一方、カド番となった井山王座は「中央で石を抜かれたのは予定外。その前にもう少し丁寧に打たなければいけなかった」と振り返っています