第45期名人戦の最終予選決勝
2019 年 11 月 18 日掲載
藤沢里菜女流名人は18日、東京都千代田区の日本棋院で行われた第45期名人戦の最終予選決勝で、女性棋士初のリーグ入りをかけて一力遼八段と対局したが、敗れた。
囲碁ではタイトル保持者への挑戦者を決めるため棋聖戦と名人戦、本因坊戦でリーグ制を実施している。これまでは平成23年の第36期棋聖戦で、鈴木歩六段が最終予選決勝に進出、12人によるリーグ入りにあと1勝と迫ったのが最高で、またしても壁を崩せなかった。
藤沢女流名人は「予選Cから勝ち上がってこれたのはよかったが、決勝は内容も悪く残念。実力が足りない。力をつけて、もう一度臨むことができれば」と淡々と語った。
一方、これまで3度、チャンスがありながら逃していた一力八段は、プロ10年目で初の名人戦リーグ入りを決めた。9月には上野愛咲美女流棋聖と竜星戦決勝で対戦、女性初の一般棋戦優勝を阻止している。「そういう役回りなのかな、と思っていた。竜星戦で追い込まれた局面を経験したので、きょうは慎重に打った」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
5つある女流タイトルのうち女流立葵杯・扇興杯とあわせ3冠を保持する藤沢女流名人は今期の名人戦で、王銘琬九段や大西竜平四段、志田達哉八段らを破ってきた。
9人による名人戦リーグ入りはならなかったが、藤沢女流名人は今年1月、第45期天元戦の本戦1回戦で男性棋士に勝利。七大タイトル戦の予選を勝ち抜いた女流棋士は小林泉美六段ら過去10人(のべ12例)いるが、本戦(天元戦は32人)で勝利したのは13例目の藤沢女流名人が初めてだった。