第74期本因坊戦七番勝負第5局
2019 年 06 月 19 日掲載
長野県松本市の松本ホテル花月で打たれた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第5局は19日午後6時23分、本因坊文裕(もんゆう)(30)=井山裕太九段=が挑戦者の河野臨九段(38)に200手で白番4目半勝ちした。
文裕は対戦成績を3勝2敗とし、歴代単独3位となる8連覇にあと1勝と迫った。持ち時間各8時間のうち残り時間は河野9分、文裕32分。第6局は7月3、4の両日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで行われる。
文裕が先に厚みを築いた中央での勢力争いをどちらが制するかの戦いとなった。文裕は白70、72と強気の手を繰り出し、白78で着実に模様を築いた。これに対し、河野は黒79で白模様を消しに行き、昼休憩直前の黒87のキリから黒107まで右辺に地を稼いだ。しかし文裕は、白98から白102と白二子を捨てて中央を広く囲ってリードを奪った。さらに白112と制して黒の動きを抑え、河野の追い上げを封じた。
解説の六浦雄太七段は「右上の地を明け渡す代わりに、中央の広さを取るのが良いと判断した文裕の構想が光った一局だった」と話した。
本因坊文裕の話 左下方面が割と大きくまとまって少しいけるのではないかと思った。次局は、勝負はこれからと思って精いっぱい打ちたい。
河野臨九段の話 序盤で遅れてしまい、右辺を白に手厚くまとめられてチャンスがなかった。次局まで時間が空くので少しでも状態を良くしたい。