本因坊文裕（もんゆう）（30）に河野臨九段（38）が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負（毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛）の第3局が4、5の両日、北海道函館市の五稜郭内の箱館奉行所で行われる。連勝した河野が一気に初の本因坊位に王手をかけるか、文裕が1勝を返して踏みとどまるか、今後の鍵を握る一局となる。

市内のホテル「啄木亭」で開かれた前夜祭では、河野九段が「幕末や明治の歴史にとって重要な地で対局でき、大変うれしい。歴史的な場所で少しでもいい碁が打てるよう努力したい」と話し、文裕は「河野さんは他の棋戦でも勝ちまくっており、そろそろ勝利の味も飽きてきたのでは」とユーモアたっぷりに決意を述べました。

新聞解説の鈴木伸二七段は「河野九段はAIもうまく取り入れてますます安定しています。井山本因坊は中終盤でミスが出ていますが、どう修正して臨まれるかが見どころです」と話し、立会の大竹英雄名誉碁聖は「タイトル戦は違うパワーを必要とする。本当に楽しみ」と名勝負を期待していました。