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本因坊戦第2局
河野臨九段が中押し勝ちで2連勝

2019 年 05 月 23 日掲載

河野臨九段が中押し勝ちで2連勝 本因坊戦第2局

甲府市の山梨県立文学館の茶室「素心菴(そしんあん)」で打たれていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第2局は23日午後6時27分、挑戦者の河野臨九段(38)が本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝とした。持ち時間各8時間のうち残り時間は文裕3分、河野47分。

1日目の最後に始まった左辺の攻防が、文裕の封じ手黒81で再開された。文裕は右辺に大きな黒地を確保しており、河野が左辺の黒を攻めつつ左上隅に広い白地を築けるかどうかが焦点になった。2日目再開当初、控室では河野が打ちやすいとの評判だったが、文裕は黒97から左上隅へ進出すると一転、「文裕優勢」の声が上がった。

しかし、文裕が黒125のマゲからさらに上辺を攻めると、双方の石が細かく絡み合う混戦に。難解な戦いの中、下辺で黒石が切られる手を文裕が見落として大石が取られる形となり、急転直下の終局となった。解説の本木克弥八段は「文裕が険しい道を選び、かえって混戦にしてしまった。文裕の見落としがなければ、まだ難しいヨセ勝負が続いていた」と振り返った。

第3局は6月4、5の両日、北海道函館市の五稜郭内の箱館奉行所で行われる。【丸山進】

河野臨九段の話 黒にいい手があれば一気に差が開いても文句が言えないと思っていた。最後に黒を切断でき、勝ちになったと思った。

本因坊文裕の話 白162と出られて負けになってしまった。連敗は厳しい状況だが、第3局は自分の納得のいく碁が打ちたい。