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「囲碁への愛情深まった」
趙治勲名誉名人、日本で「紫綬褒章」受章へ

2019 年 05 月 20 日掲載

趙治勲名誉名人、日本で「紫綬褒章」受章へ

通算獲得タイトル74期は囲碁界最多。11歳9カ月でプロ入りし、52年目にもたらされた栄誉に「(師匠の)木谷実九段と同じものをいただけるのは光栄です」と顔をほころばせた。

同一タイトルとしては最長となる10連覇の本因坊と、通算9期の名人で名誉称号を名乗る。

「頂上で戦い、勝つことが生き方。負けは自分を否定することだった」

対局に集中するあまり、よくない手を打つとボヤいたり、自らの頭をたたいてみたり。史上初めて七大タイトル全てを獲得した。大舞台からは遠ざかる。それでも「囲碁への愛情、感謝は今のほうが大きい。勝っている時期は不遜だったから」と話す。巧みな話術でファンの笑いを誘う解説会が、恩返しになっている。

人工知能(AI)搭載ソフトとの対局も経験したが、「着手があまりにも正しいので、面白くない」とはっきり言う。

韓国・釜山出身。「(6歳で来日し)韓国籍のまま日本に長く住んだことが、日韓友好に少しは役に立っているのかな。人に愛される芸風じゃないけど」。チクン節のなかに、2つの祖国への思いがにじむ。