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本因坊戦イベント
白黒シャツの人間碁、30人が楽しむ

2019 年 05 月 13 日掲載

白黒シャツの人間碁、30人が楽しむ 本因坊戦イベント

岩手県大船渡市のおおふなぽーと(防災観光交流センター)で開幕した囲碁の第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)第1局は12日、挑戦者の河野臨九段(38)が本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=を破り、初戦を飾った。会場近くのキャッセン大船渡コミュニティースペースでは大盤解説会が開かれ、ファンら約60人が聴き入った。

解説を平田智也七段、聞き手を木部夏生(なつき)二段が務めた。平田七段が「序盤は最近では本当に珍しい形。積極的な手も飛び出した」などと説明すると、参加者らは大きくうなずいていた。

参加した宮城県気仙沼市魚町の犬飼久美子さん(54)は東日本大震災を機に、働いていた都内から地元に戻ってきた。「テレビで見ていたプロの方々の解説がまさか直接聞けるとは。震災からの再建は大変だったけど、頑張っていれば良いことがありますね」と喜んでいた。

また、「碁石海岸で囲碁まつり実行委員会」が企画したイベント「人間碁」も対局会場近くで行われた。参加者約30人は碁石をイメージした白と黒のTシャツを着て、地面に黒いテープを貼り7路の碁盤の目のように仕上げた場所に一手ずつ座った。座る位置は自分で決めることができ、「次はどこかな」などと声を上げながら楽しんでいた。

宮城県立仙台二高囲碁部の大西寿々音(すずね)さん(3年)は「普通の囲碁は一対一で対局するが、人間碁はそれぞれが考えた手で勝負が進んで面白かった」と笑顔だった。

碁石海岸で囲碁まつりは13日まで。対局を終えた井山九段と河野九段が同市内の「囲碁神社」を参拝する。