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囲碁の第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局が19日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、挑戦者の村川大介八段(28)が井山裕太十段(29)に226手までで白番中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で十段のタイトルを初めて奪取した。規定により、20日付で九段に昇段する。一方の井山は、昨年の碁聖、名人に続く失冠で、四冠に後退した。
村川・新十段は兵庫県西宮市出身。2002年、11歳10カ月で関西棋院にプロ入り。名人戦リーグには7期連続で在籍中だ。
14年末に初の七大タイトルとなる王座を井山から奪ったが、その後は対井山戦で13連敗。しかし、今期十段戦第2局で連敗を止めると、第4局まで3連勝で初の十段獲得を決めた。村川は「連敗していた相手で信じられない。王座を取った時は満足してしまったので、気を引き締めたい」と話した。
一方、井山が四冠に戻るのは3年5カ月ぶり。15年11月の王座奪還以降、五冠以上を維持していた。年内の七冠再復帰も消えた。「また一から力を蓄えて戻ってきたい」と語った。
1歳上の井山裕太前十段(29)とは、小学2年生のころ碁を打ってもらって以来、一緒に囲碁を研究してきた仲だ。その井山前十段は七大タイトルを2度独占するなど、囲碁界の第一人者へ上り詰めた。目標にしてきた存在から、平成最後のタイトル戦となった今回、十段位を奪取することができた。
井山前十段は平成14年4月、自身はその7カ月後にプロ入り。井山前十段は16歳で史上最年少の棋戦優勝、20歳で史上最年少名人となるなど、いつも一歩先を進んでいた。
「子供のころから実力差があり、ライバルとはいかない。でも1つ年上なので、自分も次の年には同じぐらいに活躍しなければと思ってきた」と話す。
タイトル戦の頂点で戦うのは5回目で、相手は全て井山前十段だ。26年の王座戦では奪取したが、翌年の王座戦、28年の碁聖戦、30年の十段戦ではいずれもストレート負けを喫した。
井山前十段はぎりぎりの勝負で形勢を入れ替え、悪い局面をひっくり返す。強さを実感した。「もう勝てないのでは」とくじけそうにもなった。
だが、「ミスしたり、相手に想定以上の手を打たれたりして思い通りにいかなくても、粘り強く戦う」と臨んだ今期の十段戦。第2局で勝利をつかみ、26年12月からの対井山戦の連敗を「13」で止め、そのままの勢いで十段戦を制した。
平成最後にタイトルを獲得。「井山さんを目標にしてきた。それが自分にとっての平成かな」