第68期王座戦挑戦手合五番勝負
第1局 | 10月23日(金) | 神奈川県横浜市 |
第2局 | 11月6日(金) | 宮城県仙台市 |
第3局 | 11月17日(火) | 兵庫県神戸市 |
第4局 | 12月3日(木) | 神奈川県秦野市 |
第5局 | 12月10日(木) | 山梨県甲府市 |
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第68期王座戦五番勝負の第1局が23日、横浜市で行われ、芝野虎丸王座が184手までで、挑戦者の許家元八段に白番中押し勝ちし、初防衛に向け発進した。第2局は11月6日に仙台市で打たれる。
20歳11カ月の芝野王座と22歳9カ月の許八段のシリーズは、平成26年の本因坊戦で井山裕太本因坊(当時24歳11カ月)に伊田篤史八段(同20歳1カ月)が挑んだ際の2人を足した年齢を塗り替える、七大タイトル戦史上最年少対決だ。
芝野王座はこれまでの七大タイトル戦で張栩九段、井山四冠、村川大介九段と対戦。許八段は井山四冠、羽根直樹九段と戦っており、同世代と対戦するのはともに初めて。
これまでの対戦成績は芝野王座の4勝2敗。許八段は前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていた。
芝野王座は今春の十段戦五番勝負(産経新聞社主催)を制し、史上初の“無傷の三冠”になったが続く本因坊戦と、今月14日に決着した名人戦でともに井山四冠に敗れている。これから長くしのぎをけずることになるであろう許八段が相手だけに、譲れないシリーズだ。
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6日朝から仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで打たれていた第68期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は午後6時26分、芝野虎丸王座が221手で挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちした。第1局に続く連勝で、タイトル初防衛まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち残りは王座1分、挑戦者2分。第3局は11月17日、神戸市のホテルオークラ神戸で打たれる。
芝野王座が用意した布石は20~30年前に流行した高中国流で、人工知能(AI)で研究し直して有効性を確認していた。挑戦者は上辺で地合いを稼ぎ、黒の勢力下の右辺で白60から動き出す。それに対し「右下の白石と絡めながら、手厚く冷静に攻めた芝野王座がペースを握った」と立会人の小林光一名誉棋聖ら控室のプロ棋士はみていた。
焦点は左辺に転じ、王座は黒101から中央の白石に狙いを定める。挑戦者が紛れを求めて勝負手を連発する中、王座の左上の黒159が読みの入った手だった。左上隅の白石を仕留められた挑戦者は、代償として右上の黒の大石に襲いかかるが、王座が冷静に対応した。
解説の平田智也七段は「少しでも間違えれば大逆転する緊迫した場面が続いた好勝負だったが、王座の読みが一歩上回った」と話している。
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第68期王座戦五番勝負の第3局が17日、神戸市で行われ、挑戦者の許家元八段が293手までで、芝野虎丸王座に黒番5目半勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。第4局は12月3日に神奈川県秦野市で打たれる。
初防衛が持ち越された芝野は、「正しく打てば勝てたかもしれない。残念。次の1局に集中していけたら」と気を取り直していた。
許は、「最後の最後まで分からなかった。(終局寸前)少し残るかなと思いました。次もいい内容で打てたら」と話した。
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第46期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)が3日開幕した。出場9人の総当たり戦。8月までの長丁場で井山裕太名人への挑戦権を争う。
出場者は序列順に(1)芝野虎丸王座(2)一力遼碁聖(3)河野臨九段(4)許家元八段(5)羽根直樹九段(6)山下敬吾九段(7)余正麒八段(7)本木克弥八段(7)安斎伸彰七段
出場9人のうち「令和三羽ガラス」の前名人・芝野と一力、許ら20代が5人と過半数を占める。これまで上位棋士は「平成四天王」など有力棋士で固められてきたが、若手の台頭で顔ぶれは激変した。
「戦国リーグ」の開幕戦は、優勝候補本命の前期2位の一力が初リーグの兄弟子の安斎を破り、初挑戦に向けて好スタートを切った。
一力は前期、7勝1敗の好成績ながら唯一敗れた井山が全勝優勝し、挑戦権を逃した。1敗者がプレーオフにも出場できなかったのは名人戦史上初。今期にかける思いは強い。
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