第46期天元戦挑戦手合五番勝負
井山裕太天元 vs 一力遼挑戦者
第1局 | 10月08日(木) | 愛知県名古屋市 |
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第2局 | 10月20日(火) | 北海道札幌市 |
第3局 | 11月27日(金) | 福岡県久留米市 |
第4局 | 12月07日(月) | 兵庫県洲本市 |
第5局 | 12月16日(水) | 徳島県徳島市 |
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第四十六期天元戦(中日新聞社主催)五番勝負の第一局が、八日に名古屋市熱田区の料亭「賀城園」で打たれる。タイトル保持者の井山裕太天元(31)=棋聖、本因坊=と、挑戦者の一力遼碁聖(23)が七日、現地入りし、決戦に向けて意気込みを新たにした。
井山天元は国民栄誉賞を受賞した第一人者。近年は次代のホープと期待される一力碁聖の壁として立ちはだかってきた。両者が天元戦五番勝負を戦うのは三度目。通算成績は井山天元が六勝一敗で圧倒しているが、初めて七大タイトルの碁聖を獲得して勢いに乗る一力碁聖が雪辱を目指す。
二人はこの日、賀城園の緑豊かな庭園を背景に記念撮影。その後、対局場を検分して本番に備えた。
井山天元は「一力碁聖は非常にいい状態で大変な戦いになると思うが、相手がどうこうでなく自分がどれだけやれるかを意識したい」と意気込みを述べた。
一力碁聖は「タイトルを取れて余裕ができた部分はある。井山天元は常に自分が目標とする存在。三回目だが新たな気持ちで臨む」と闘志を燃やした。
井山裕太天元に一力遼碁聖が挑戦する第46期天元戦挑戦手合五番勝負【主催:新聞三社連合】の第1局が10月8日(木)午前9時から愛知県名古屋市の「賀城園」で行われた。結果は290手までで一力遼碁聖が黒番半目勝ちをおさめ先勝した。
一力碁聖のコメント 「一局を通して難しかった。中盤ははっきり黒が悪かった。中央のヨセが正しかったか分からない。半目勝負かなと思っていたが残りそうかなと思っていた。 幸先のよいスタートが切れてホッとしている。2局目以降も精一杯頑張りますので応援よろしくお願いいたします。」
井山天元のコメント 「2の一にハネられたのが大きかったのかもしれないが今はよく分からない。15の三のキリで中央に黒地がついた。中央に打っておいたほうが多分よかったと思う。 残念な1局とはなったがきわどい勝負にはなったと思う。しっかりと準備していい碁をみせられればと思う。」
第2局は20日に札幌市内で打たれる。
特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負
第1局は一力遼碁聖が290手までで黒番半目勝ち。連勝すれば3度目の挑戦となる天元獲得へあと1勝と迫る。井山裕太天元は天元戦5連覇中で名誉天元の資格も持つ。第1局直後には名人位を奪取して4冠に復帰しており、巻き返しに期待がかかる。
20日、第2局が札幌市内で打たれ、黒番の井山四冠が223手で中押し勝ちし、1勝1敗とした。
第3局は11月27日に福岡県久留米市内で打たれる。
特製ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負
第46期天元戦5番勝負の第3局は27日、福岡県久留米市で打たれ、井山裕太天元が180手で挑戦者の一力遼碁聖に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗として防衛にあと1勝に迫った。
立会人の坂口隆三九段は「一力碁聖が白の大石への攻め方をもっと工夫すれば、勝負になったかもしれない。内容のある碁で、第4局も熱戦を期待したい」と話した。
井山裕太天元の話 白2、4の「両三々」はあまり打ったことがない。本局はこれでいってみようと思った。白86と黒3子を取ることはできたものの、実際の形勢は難しい。黒101と出られたときの対応がまずく、黒に食いつかれてしまった。白152と飛んで、何とかしのぐことができるのではと思った。
一力遼碁聖の話 白40と守られ、右下の白一団への攻めが効かなくなった。白52と打たれ大変かなと感じていた。白86と黒3子を取られ地合いでは負けているが、これからの勝負だと思った。黒109とポン抜くことができ食いつける格好になった。黒111と切った手は疑問だったかもしれない。
第4局は12月7日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。
特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負
井山裕太天元に一力遼碁聖が挑戦している第46期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局は7日午前9時から、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで打たれ、午後4時38分、208手で白番の一力が中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。
持ち時間各3時間のうち残り時間は井山2分、一力3分。最終の第5局は16日、徳島市の「徳島グランヴィリオホテル」で打たれる。
【一力遼碁聖の話】白60が空振っているので甘かったか、と感じていた。白88までフリカワった局面はそれなりに難しい。白120とタタくことができ、正しく打てば残るかなと感じていた。白150と2子抜いたところでは手応えがあった。
【井山裕太天元の話】序盤、黒31、33とツケコシたところの折衝はこれで一局と思った。黒61、63のツケギリは自信があったわけではない。白88までのフリカワリは実戦的には大変。白120と打たれた場面は、はっきり足りない。
立会人の石田篤司九段は「終局直後の時点で、井山天元に敗着と言える手は見つかっていない。一力碁聖の好局で、本人も手応えを感じているのではないか」と話した。
特設ページ:第46期天元戦挑戦手合五番勝負
第46期天元戦(新聞三社連合主催)五番勝負の最終第5局が16日、徳島市で打たれ、挑戦者の一力遼碁聖が、6連覇をねらう井山裕太天元に黒番中押し勝ちした。シリーズ3勝2敗とし、対井山6度目の七大タイトル挑戦で初めてタイトルを奪取した。
一力は1勝2敗のカド番から2連勝の逆転でシリーズを制した。芝野虎丸王座、十段を合わせて二冠と並ぶ二冠になり、規定により17日付で九段に昇段する。囲碁界は、七大タイトルでとくに上位にある名人、棋聖、本因坊を独占する「大三冠」の井山を軸に、若手ふたりが肉薄する構図が鮮明になった。
一力は七大タイトル初挑戦の2016年天元戦からこれまで井山に5度挑戦。17~18年の王座、天元、棋聖の3棋戦連続挑戦で勝ち星なしの10連敗を喫するなど、すべて退けられていた。終局後の取材に「井山先生にタイトル戦で勝つのがずっと目標だった。内容的にはまだまだだが、自分の力を出し切ることができたと思う」と話した。
井山は一昨年に七冠独占が崩れてから昨年までに三冠に後退したが、今年に入って復調。三冠同士の頂上決戦となった秋の名人戦では芝野からタイトルを奪取し、自身3度目の大三冠を達成した。絶好調の状態で天元戦を迎えたが、フルセットの末に一力に屈した。「全体に大事なところで精度を欠き、パフォーマンスに関していま一つだった」と話した。
関連棋譜:【第46期天元戦挑戦手合第5局】(黒)一力遼碁聖 対 井山裕太天元(白)
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