第45期名人戦挑戦手合七番勝負
第1局 | 8月25日(火)、26日(水) | 東京都文京区 |
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第2局 | 9月15日(火)、16日(水) | 兵庫県宝塚市 |
第3局 | 9月23日(水)、24日(木) | 山口県山口市 |
第4局 | 9月29日(火)、30日(水) | 三重県鳥羽市 |
第5局 | 10月13日(火)、14日(水) | 静岡県熱海市 |
第6局 | 10月26日(月)、27日(火) | 長野県松本市 |
第7局 | 11月2日(月)、3日(火) | 山梨県甲府市 |
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第45期名人戦七番勝負第1局が25、26の両日、東京都文京区で行われ、挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元=が275手までで、初防衛がかかる芝野虎丸名人・十段・王座=に白番1目半勝ちし、3期ぶりの名人獲得へ向け発進した。第2局は9月15、16日に兵庫県宝塚市で打たれる。
3冠対決第1ラウンドは、井山棋聖が制した。「1日目が終わった時点では、まだよくわからなかった。(相手の手は)厳しかった」と振り返った井山棋聖は「まだ始まったばかり。少しでもいい状態で第2局に臨めれば」と話した。
今回の名人戦は2日制で持ち時間各8時間の長丁場だ。序盤からじっくり考える井山棋聖は、時に記録係に「58秒、59秒…」とギリギリまで読まれながらも冷静に対応。一方、ポンポンと打ち進める芝野名人は1時間9分も考慮時間を残しての決着だった。
「同じ3冠といっても、並んだとは思っていない。挑戦者の立場で向かう」と話す芝野名人が第2局以降、巻き返すことができるか。
関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段 (白)
特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負
芝野名人は 「改めて大変な相手だなと 感じました。 第2局まで時間はあるので、 切り替えてまた頑張りたい」 と話しました。
井山裕太三冠「布石から経験のない形、左上から動かれて封じ手直前の打ち方がよかったどうか。右下コスまれたときにどうしたらよいかわからなかった。フリカワリで残せると思ったがわからなかった。次局少しでもよい状態で臨めるようにしたい」
第45期名人戦第2局1日目は、白番:芝野虎丸名人が94手目を封じて1日目が終了しました。明日午前9時から対局再開です。
午後7時12分、213手までで芝野虎丸名人が投了。井山裕太挑戦者が黒番中押し勝ちし、シリーズ2連勝とした。持ち時間各8時間のうち残りは両者とも1分だった。
両者秒読みの激戦が続き、検討室では名人がよしだったが最後に失着。名人はマスクをつけ、スーツの上着を着て、投了を告げた。
第3局は23、24の両日、山口市の「山口市菜香亭」で打たれる。
井山棋聖「1日目、序盤早々、左下の攻防ではっきり悪くなってしまい、あとは粘り強く打とうと思った。ここ最近は負けが続いていたので、まず一つ勝てて良かった。七番勝負としてはまだまだこれから。第3局も悔いのないよう、しっかり準備して臨みたい。」
「はっきりと読み切れていたわけではない。なんとかなるかなと思ったが、自分で思っていたより危なく、正しく打たれたら死んでいたと思う。」
芝野名人「2日目はずっと大変かなと思っていたが、途中から難しくなった。白模様に入った黒の死活は難しいと思ったけど、正しく打てばいけてたと思う。最後、黒207の手をまったく見ていなくて、打たれた瞬間にまずいとわかった。」
結果は良くなかったが、あまり気にせず切り替えて、集中して打てれば。
特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負
【第45期名人戦挑戦手合第3局】封じ手は9-九。
山口市で行われていた名人戦七番勝負第3局は、芝野虎丸名人が挑戦者の本因坊文裕に勝って初白星を挙げ、1勝2敗としました。非勢の文裕が終盤に勝負手を繰り出してあと一歩まで追いすがり、最後まで手に汗握る大熱戦でした。 第4局は29日から三重県鳥羽市の戸田家で打たれます。
囲碁名人戦第4局は29日午後5時37分、芝野名人が58手目を封じて1日目が終わりました。消費時間は名人が4時間28分、挑戦者は3時間9分です。名人はこの手に1時間41分の長考でした。早打ちで知られる芝野名人にとって棋士人生で最長考ではないかと言われています。
三重県鳥羽市「戸田家」で行われました第45期名人戦第4局は、145手まで黒番:井山裕太棋聖の中押し勝ちとなりました。対戦成績は井山棋聖の3勝1敗に。第5局は10月13日(火)14日(水)静岡県熱海市「あたみ石亭」で行われます。
https://igo-kifu.com/kifu/6526 【第45期名人戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)
第45期名人戦七番勝負の第4局が9月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ、挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元が145手までで、芝野虎丸名人・十段・王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝1敗で3期ぶりの名人復位にあと1勝とした。第5局は13、14日に静岡県熱海市で打たれる。
中盤早々、盤面左上一帯の黒の大模様に名人の白石が突入。この一団を巡る攻防から戦いが全局に波及した。最後は挑戦者の大石の生死をかけた戦いに発展したが、挑戦者がしのぎ切り、勝負を決めた。
名人は1日目の58手目の封じ手で1時間41分の大長考を払い、白石に襲いかかる中央の黒の包囲網を破りにいったが、挑戦者の黒65が好手で、望んだ図を得られなかった。劣勢を意識した名人は、唯一の攻撃目標である中央の黒の一団に脅しをかけたが、挑戦者は大胆に無視し、黒89と左辺の白二子をちぎり取り、陣地の広さの優位を決定づけた。
もはや陣地の囲い合いで追いつけない名人は、白100から黒の大石を自陣に引き込んで総攻撃にかかる。両者秒読みのなか、ぎりぎりの勝負となったが、挑戦者が際どくしのいだ。
右下から中央に伸びる黒の大石が二眼をもち生きるかどうかが焦点となっている。この黒一団は中央付近に一眼を確保しており、145手目(7の十六)で左下の白一団が取られることになり、もう一眼がはっきりした。この黒一団が生きると、白は地合いで大きく及ばなくなるため、投了は仕方がない。
終局後、井山挑戦者の主な発言は次の通り。
「まだまだこれからだが、本局は自分らしく戦えたと思う。自分なりに納得のいく碁を打ちたい。2日目以降、少し打ちやすくなったと思っていた。黒89は成算があったというより、他にいまいちぴったりする手がなかったという感じ。いろいろよくわからないことだらけ。正しく打てばいけそうだと思っていってみた。難しい変化をはらんでいるので、正しく読み切れていたかはわからない。」
終局後、芝野名人の主な発言は次の通り。
2日目に入り、中央の黒の包囲網を破りにいったが、あまりうまくいかなかった。今日の午前中の段階で、はっきりだめといえる形勢にしてしまった。中央の黒石を取らないと勝ち目がないと思ったが、取れる石ではなさそうで、厳しいかなと思っていた。今回の碁はあまり内容がよくなかった。成績のことは気にせず、集中して打てたら。
関連棋譜:【第45期名人戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)
特設ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負
明日からはじまる第45期名人戦挑戦手合第5局。芝野名人と井山棋聖による検分が行われ、対局場「弓ヶ浜」にて記念撮影がされました。
https://youtu.be/mxHcJVH0Ruk 日本棋院囲碁チャンネル【公式】
第45期名人戦挑戦手合第5局は、黒番の芝野名人が59手目を封じました。
三冠同士の頂上決戦となった第45期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は14日午後7時26分、挑戦者の井山裕太棋聖が芝野虎丸名人に178手までで白番中押し勝ちを収め、シリーズ4勝1敗で名人位を奪取した。
井山は棋聖、本因坊とあわせ、七大タイトルの中でも特に上位に位置づけられる三つのタイトルを独占。自身3度目の「大三冠」に返り咲いた。
名人位獲得は3期ぶり7回目。過去に3度失冠したが、2013年、17年、今回と、すべて名人復位と同時に大三冠を達成。ほかに大三冠を遂げたのは趙治勲名誉名人だけ。趙は2度達成しているが、それを上回る3度目の大三冠は、井山の驚異的な復元力を物語る。
今期名人戦は、一昨年に七冠独占が崩れてから初めて挑戦者として臨んだタイトル戦だった。前期に史上初の10代名人になった芝野に対し、積極的な打ち回しで流れを手放さず、芝野の挑戦を受けた今夏の本因坊防衛戦に続きシリーズを制した。
保持する七大タイトルは大三冠に天元を加えて四冠に。通算獲得数も49に伸ばし、2位の趙の42を引き離し、独走している。
特製ページ:第45期名人戦挑戦手合七番勝負
【第45期名人戦挑戦手合第5局】(黒)芝野虎丸九段 対 井山裕太九段(白)
日本棋院囲碁チャンネル【公式】中継動画:
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