「令和三羽ガラス」、井山三冠に迫る タイトル戦で次々激突、変わる勢力図
イボアネハー player 2020/03/18 12:42

平成の終わりに井山裕太棋聖(30)の七冠独占が崩れてから、流動化を始めた囲碁界の新たな勢力図が見えてきた。いまなお三冠を保持する井山の天下に、「令和三羽ガラス」の脅威が迫っている。

井山は6日、棋聖戦七番勝負第6局で河野臨九段(39)を破り、4勝2敗で小林光一名誉棋聖(67)に並ぶ同棋戦最多タイの8連覇を達成した。

 次の大勝負は、5月開幕の本因坊戦七番勝負。9連覇がかかる。佳境を迎えた本因坊戦リーグで挑戦圏内に残るのは、芝野虎丸名人(20)、一力遼八段(22)、許家元八段(22)の「令和三羽ガラス」だ。

 棋聖防衛後、井山は「最近の若手の台頭は素晴らしい。私にとっては厳しい状況」と答えた。脳裏に、この3人が浮かんでいたに違いない。

 2月の本因坊戦第5ラウンドを終え、3人が4勝1敗で首位を並走。今月12日の一力と許の直接対決では、許が先月敗れた名人戦リーグのリベンジを果たした。ともに残るはあと1局、芝野は2局。直接対決はなく、1敗の芝野か許の単独優勝、芝野―許のプレーオフ、一力を加えた3者プレーオフの可能性をはらんで大詰めを迎える。

 すでに3人とも、七大タイトル戦の大舞台で井山と激闘を交わしている。

 先陣を切ったのは一力だ。2016年秋、19歳で天元に挑戦したのを皮切りに、都合5回、すべて敗れた。17年秋~18年冬には七冠独占中だった井山に王座、天元、棋聖戦と連続で挑戦し、0勝10敗とたたきのめされた。「あの時はしんどかった。勝勢の碁を落として崩れてしまった。心技体の総合力で劣っていた。今は負けても引きずらないように心がけています」

 同い年の一力に刺激を受けたのが許だ。「自分もがんばれば挑戦できると思った」。七大タイトル初挑戦だった18年夏の碁聖戦で、無敗の3連勝で井山の七冠独占を崩した。「自分でも衝撃でした」。圧巻のタイトル奪取に、「あれで囲碁界の空気が変わった」と一力は言う。

 2人に続き、昨秋の王座戦で芝野が井山に挑んだ。直前に史上最年少の名人になり、その勢いでタイトルをもぎ取った。「内容はともかく、結果は自信になった。自分の碁を打っていればいいという気持ちになりました」。今年1月にも十段戦挑戦者決定戦で井山を破り、井山に並ぶ三冠目をかけて村川大介十段(29)に挑戦中。まずは今月3日の開幕戦を制した。

 「井山対平成四天王」から「井山対令和三羽ガラス」へ。囲碁界の構図は、急激にシフトしつつある。

 井山も反撃の機をうかがう。今期の開幕前、「そろそろ挑戦したい」と語っていた名人戦リーグは、3戦全勝で一力とともに首位。今月19日に2人の直接対決がある。許は3勝1敗の2位。芝野への挑戦権争いはこの3人が先頭集団を形成し、後半戦になだれ込む。

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